JICA海外協力隊の世界日記

みんなあのねのセネガル便り

みんなあのね、「ジャングルへ行こう」

私の家には眠っているものがある。

セネガルに来るとき、日本文化紹介をしたいと思って持ってきた折り紙、

なにかのときにと持ってきた日本のクレヨン。

先日少しだけ使ったけれど習字道具一式、

そして、工作のために赴任してから溜めてきた空き箱たち。

使うタイミングがなく、家に眠っているもの中に

トイレットペーパーの芯がある。

日本では、トイレットペーパーの芯は工作の材料の定番であるが、

セネガルの現地の生活ではゴミとして出てこないものである。

こちらのトイレはウォシュレットならぬ手シュレット。

用を足したら自分の左手で始末し、

トイレ内に置かれているバケツの水で手を洗うのが一般的。

だから、工作のために使うトイレットペーパーの芯は、

貴重品である。

赴任した時からこつこつため、ようやく50本。

出し惜しみをしてもしかたないし、

タイミングを逃して帰国する時まで溜めても意味がないので、

トイレットペーパーの芯を使って工作をした。

つくったのは望遠鏡だ。

日本ではおなじみ、定番の工作のひとつであるけれど、

セネガルではインパクトのある活動になる。

子どもたちが頑張ってつくった望遠鏡。

最初、子どもたちの反応はいまいちだった。

望遠鏡を子どもたちが知らないため、

なにをつくっているのか想像しにくかったのだと思う

絵本に触れる機会も日本に比べ少なく、

テレビのない家もまだまだ多い。

子どもたちに届く情報が少ないのかもしれない。

子どもたちとお絵かきや塗り絵をして、

それを縁取るようにして切り取り、

立体になるように大きな紙に貼っていった。

作品の舞台はジャングル。

雑草が生い茂り、蛇がいて、カラフルな虫がいる。

冒険家もいるようだ。

流れ星もあって、

わくわくするジャングルなら行ってみたいと私は思う。

私の任地で出会う生き物は、

蚊、ハエ、ネズミ、トカゲが多い。

ヒツジ、ヤギ、ペリカンも見かける。

ジャングルにいそうな蛇は見たことがないが、

カラフルなトカゲは見たことがある。

子どもたちが紙の上にジャングルを作っていく表情は柔らかく、

先生がつくったチョウをトンボと言い、

ある子どもが黄色に塗ったヘビをトウモロコシだと言い、

「いろいろなものに見えてくるね」と楽しく作業ができた。

子どもたちはジャングルへ行ったことがないけれど、

みんなでどんなところか想像して作り上げた紙の上のジャングルは、

素敵な世界に違いない。

このジャングルを教室の壁に貼り、

先日作った望遠鏡をつかってみんなで覗いてみる。

このアイディアは年少クラス担任のトントン・パテ。

自分たちで作った望遠鏡で、自分たちで作ったジャングルを探検だ。

子どもたちが楽しそうに幼稚園にやってきて、

元気に過ごしている様子を見ていると嬉しくなるけれど、

いっしょに活動をして、先生方が楽しそうな様子を見ると、

これまたうれしくなる。

教室は、子どもたちの笑い声が響く場所であってほしいし、

先生方の笑顔が絶えない場所であってほしい。

日本とセネガル。

歴史も文化も宗教も異なるこの国では、

幼稚園の役割も違う。

お互いの良さを合わせて、高めていけたらいいなと思う。

今週もおシゴトおつかれさまでした。

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