みんなあのねのセネガル便り(西村隊員は帰国しました。)

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西村 綾介
(神奈川県)

ボランティア/職種
青年海外協力隊
青少年活動
派遣国
アフリカ
セネガル サンルイ州サンルイ市
一言メッセージ
ボクでなきゃ!キミでなきゃ!たわむことのできるしなやかな軸をもって、子どもたちの笑顔のために力を合わせて頑張ります。

 

みんなあのね、「裏側」

2017.05.08

活動

暑かったり寒かったり、

毎朝、何を着ていこうか悩む日々だったけれど、

最近は、また涼しく過ごしやすい日々。

そして、春を感じるような日差しがさす昼下がり。

シテニャフ幼稚園では、

子どもたちとチョウチョをつくった。

日本人にとって馴染みのあるチョウチョ。

私の住むサンルイでは、

暑さが和らぐ短い季節の中で見ることができる。

子どもたちは、今年始めることのできた絵本の読み聞かせや、

音楽の時間に歌う歌でチョウチョとたくさん出会い、

私の想像以上に馴染みのある存在になっている。

制作活動で必要な材料は、基本的に消耗品が多い。

クレヨンもボンドも絵の具も紙も使えば使った分無くなる。

私が初めてシテニャフ幼稚園にきたとき、

教室に用意されていた材料はコピー用紙と発色の悪い色鉛筆が1ケース。

気が付けば、いつの間にか、

教室にクレヨンも、絵の具も、色紙もある。

量は十分ではないため、どんどん使うことはできないけれど、

用意してもらえることは嬉しい。

けれど、複雑な気持ちにもなる。

というのも、各クラスの先生方が材料を自費で購入しているのだ。

教育委員会からの予算が増えた、幼稚園のお金のうち、

図工の時間への分配が増えたというわけではないのである。

幼稚園には月謝があり、

毎月保護者から4000FCFA(日本円で800円ほど)を徴収している。

この集めた月謝の行方がわからないと先生方は言う。

使途不明金。

サンルイでは、基本的にどこの園でも

園長先生が経理を担当していることが多いのだが、

「部下が上司など上の立場に意見を言うのはちょっと…」

と言うセネガル人が多い。

私がきたときは、「日本人ボランティア」を理由に、

何度かお願いしたことはあるそうだが、

今は、私の存在にも慣れていて、

お願いの理由の口実にはならないのだそう。

直接、園長先生には使途不明金を訪ねることはせず、

「ムンギ レック ハーリス」と

彼はお金を食べているんだよという意のことを裏で言う。

もちろん、園の予算から購入しているものもあり、

予算は去年より増えているそうだが、

先生方が自費で購入している方が多いそうだ。

タタ・アミは、去年は年中クラス、今年は年長クラスで、

いっしょに活動をしてきた先生。

シテニャフ幼稚園での勤務歴が誰よりも長いタタ・アミ。

お調子者な一面もあり、

「ふざけるな~!」

「やる気あるの~?」

「真面目にやってよ~!」と

思わせる行動もしばしばあるのだけれど、

子どもが大好きな先生である。

月曜日から金曜日まではシテニャフ幼稚園へ来て保育にあたり、

日曜日は、発達が緩やかな子どもたち、自閉症児やダウン症児と

運動遊びをするサークルに無償ボランティアで参加している。

他のクラスの掲示物を見にきて

「これどうやって作ったの?」と話を聞き、

次の日には自分のクラスで子どもたちと作ってみるなど、

他人の良いところを盗むのが上手な先生でもある。

ただ、時間を守らないというところは、

2年間、正確に言えば110カ月言い続けてきたけれど、

変わらない。

トントン・パテは、去年は年長クラス、今年は年少クラスの担任。

活動にもとても協力的な先生で、やる気も情熱も満ち溢れている。

絵本の読み聞かせを初めて導入できたのもトントン・パテのクラス、

お散歩の時間を導入できたのもトントン・パテのクラス、

保護者向けのお便りを導入できたのもトントン・パテのクラスなのだ。

なかなか話にくいお金のことをトントン・パテが教えてくれた。

予算の話、給料の話、使途不明金の存在。

真面目な話を真面目に話せる先生である。

子どもたちのことが大好きなようで、

制作活動が終われば作品と子どもの写真を撮り、

帰り道に保護者に会えば嬉しそうにその写真を見せている。

やってみる!という気持ちが強いようで、

写真などでこんな制作活動も楽しそうだねと見せると、

数日後には、それを真似て子どもたちと作品を作っている。

価値観や意見の衝突はあるけれど、

私がとても頼りにしている先生だ。

タタ・アミも、トントン・パテもすてきな先生である。

でも、そうでない先生もたくさんいる。

クラスで長電話を始める先生、

塗り絵のときに、はみ出して塗ってしまった子を叩く先生、

疲れたと足を机に乗せて寝始める先生、

なにも言わずに遅刻、早退する先生。

なんど言葉を失っただろうか。

セネガルでは、教育の質に注目が集まってきている。

とんでもない先生もいるけれど、

努力を続けている先生もいる。

ボランティアにできることには限界があるかもしれないが、

私が応援できるならば応援したいし、

力になりたいと思う。

残り、1か月と少し。