みんなあのねのセネガル便り(西村隊員は帰国しました。)

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西村 綾介
(神奈川県)

ボランティア/職種
青年海外協力隊
青少年活動
派遣国
アフリカ
セネガル サンルイ州サンルイ市
一言メッセージ
ボクでなきゃ!キミでなきゃ!たわむことのできるしなやかな軸をもって、子どもたちの笑顔のために力を合わせて頑張ります。

 

みんなあのね、「金・銀 問題」

2017.05.29

活動 生活

新たな活動の始まったゲンダール地区。

ここゲンダールは、以前の記事で紹介した通り、

セネガルでも有数の人口密度の高い漁村で、

識字率や就学率の低い地域である。

下水の設備やごみ収集のシステムが成り立っていない事、

魚を取り扱っていることなどもあって

不衛生な環境でもある。

1枚目の写真は、ゲンダール地区の工事現場で撮影したものだ。

この写真に写る看板、ではなく、

看板や手前のフェンスの黒いぽつぽつに注目してほしい。

黒いぽつぽつの正体はハエである。

暑い季節がやってきたサンルイ、ゲンダール地区。

いま、ハエが大量発生している。

歩いているとハエによくぶつかる、というのは、

「ゲンダールあるある」なのだ。

道端で干してある洗濯物にもハエ、

路上の屋台にもハエ、

私の腕にも、ハエ。

活動の帰りにパンを買って食べようとしたら、

「あれ、レーズンが入っている?!」と思い、よくよく見たら

レーズンではなくハエだったこともある。

ハエに囲まれて(?)活動となると、

大きさや色などが異なるいろいろなハエがいることに気が付く。

ゲンダール地区での活動。

女性と子どもの家で開くアトリエに参加しているのは、

地域の子どもたちがほとんどで、

学校に通っている子も、通っていない子も、

通わなくなった子もいる。

学びの要素も少し取り入れたいと思いながら

限られた時間の中で活動をしている。

先日、子どもたちとチョウチョを作った。

鉛筆の正しい持ち方を知らない子も多い上、

「書く」という経験の少ない子もいる。

「様々な色を使って自由に線を引いてみよう」

「まっすぐな線を引いてみよう」

「図形をかいて色を塗ってみよう」

などの言葉かけをした。

学校に通っている子どものほうが

きれいな線をひくことができ、

きれいな円を書くことができた。

日本では、自宅にお絵かき帳や自由帳があって

描きたいときに自由に絵を描くことができると思う。

それらがなくても、広告の裏などに

絵を描いた経験が誰しもあると思う。

子どもの手の届くところに紙と書くものがある。

ゲンダール地区だけでなく、

任地サンルイでは、子どもたちが自由に描く機会は少ない。

任地サンルイでは、様々なことで機会が少ない。

経験を積むことが難しいと言えるかもしれない。

ゲンダール地区の女性と子どもの家でのアトリエは、

一回目は5人の子どもが参加してくれたが、

この数週間で人数は増え、

いまは20人を超える子どもたちが集まってくれる。

机と椅子が不足するのではないかという不安もあるのだが、

子どもたちが集まってくれるということは嬉しい悩みでもある。

しかし、子どもが集まっているのに

日本ではよく遭遇した問題にここでは出会わない。

それは、折り紙「金・銀」問題である。

日本で折り紙をやろうとなったとき、

金色、銀色の折り紙は子どもたちに大人気で、

「私の金!」「ボクの銀!」の嵐になるのだが、

任地サンルイでは、ない。

折り紙をやろうとなっても、

上から順に取るし、色のこだわりがないように見えなくもない。

自己主張が弱い子どもたち、ということではない。

普段の生活を見ていると自分の感情を伝える子が多いし、

「こうしたい」「あれしたい」という子が多い。

自己主張の弱さは、

教室の中だけで表れているのかもしれない、と最近思う。

自己主張の弱さは、

指示待ち人間と言い換えることができるかもしれない。

セネガルの教室では、幼稚園も学校も、

先生の指示に従うことがほとんどである。

塗り絵は先生が色を指定するなど、

子ども自ら工夫を凝らすという場面はなく、

そのため、折り紙「金・銀」問題が起こらないのではないか、

と、ひとりで考えている。

教室で起こるケンカは、

書いているときに肘がぶつかったとか、

ちょっかいを出してくるとか、

とかから始まることが多く、

私の作品を真似しようとしたとか、

あの色を使いたかったのにあの子が取ったとか、

そのような理由でケンカになることは見たことがない。

任地を離れるまで、あと24日。