JICA海外協力隊の世界日記

みんなあのねのセネガル便り

みんなあのね、「雨の降る日に」

日本は夏真っ盛り。

今年もお盆がやってきた。

セネガルの気候は熱帯乾燥気候で、

季節は7月から9月の雨季と10月から6月までの乾季に分かれる。

雨季が始まるとともに蚊やコバエも一気に増えた。

雨季は高温多湿となり、毎日「暑いなぁ」と口にしていたものだ。

気象情報を見て、40度を超えるとわかっても、

「そんなものか」となにも思わなくなっていた。

乾季には,ハルマッタンと呼ばれる

サハラ砂漠の砂塵を含む季節風が吹く。

リンゲール、カフリン、タンバクンダなどの内陸部の気温は

私の住んでいたサンルイなどの沿岸部よりはるかに高く

50℃に達することもしばしばある。

雨が降ると、町が掃除されるようで、

景色がきれいになっていった。

空もきれいな青空が広がり、

雨上がりには何本もの虹を見ることができた。

虹を見るその度に、きれいだなぁと小さく呟き、

あしたも頑張ろうと自分自身を励ましていた。

川は、上流の泥水を運んできて、茶色く濁り、

水位が高くなることも覚えている。

道端では、「クレム」と呼ばれる氷菓子が売られる。

25FCFA、日本円にして5円ほどで売られるクレムは、

ビサップ(ハイビスカス)やバオバブの実で味がつけられていて、

子どもも大人も大好きである。

小さなビニール袋に入れられて売られていて、

袋の端を歯でちぎるようにして穴をあけ、

そこから吸うようにして食べるのである。

雨季と乾季の2つの季節のセネガル。

そのようなセネガルに住みながら、

いろいろなことで季節の移り変わりを楽しんでいた。

市場に並ぶ野菜やその値段の変化、

空の色や朝日の昇る時刻。

蚊やハエなど虫や小動物の量などである。

私の住んでいたサンルイは、

セネガル川の河口に位置し、大西洋に面した町だった。

川の河口には小さな中州が点在し、まるで小さな島々に見えた。

今の季節、水辺を歩けば、たくさんのカニに出会うことができた。

夜になれば、カニの歩く音がカシャカシャと響き、

すこし怖い気分になるほどである。

刃が大きく、私は捕まえるのに躊躇してしまうのだけれど、

子どもたちは挟まれることなく、上手にカニを捕まえていた。

現地の言葉では「コチ(コチュ)」と言う。

グーチョキパーの歌をシテニャフ幼稚園で歌ったときには、

左手はチョキで♪右手もチョキで♪

コチコチコチ♪コチコチコチ♪

と日本語と現地の言葉を混ぜて歌っていた。

雨が降れば、なにもしない。

それがセネガルである。

朝、雨が降れば、大人は仕事には行かないのだ。

もちろん、子どもは学校や幼稚園に行かないのである。

雨漏りをする場所にバケツを置いたらやることは終わり。

雨が止むまでのんびり過ごすのである。

日本の梅雨のようにしとしと雨が降り続くのではなく、

まとまった雨が短時間の間に降るのだ。

雨が降れば、家の中には水たまりができ、

町は冠水している。

水たまりがあちらこちらに、というレベルではない。

膝下まで雨水が、ということもあった。

特に、都市部では、排水機能がおいつかずに、

冠水した状態が数日続くこともしばしば。

雨が上がり、太陽が顔を出すころ、

少しずつ人々が町に出てくる。

少しの雨のときは、さらさらの砂が固まり歩きやすくなる。

子どもたちは道端でサッカーを始めていた。

女性は部屋の掃除や洗濯をはじめ、

男性は文句を言いながら仕事の支度を始める。

時間によっては、昼寝を始めるのだ。

私はというと、

雨漏りした部屋を掃除し、ベランダや外の廊下の水かきをして、

活動先の同僚に電話で連絡をしてシゴトへ向かった。

首都ダカールの年間降水量は、350mmほど。

雨季の始まり、その季節の最初の雨が降ると、

セネガルの人たちは拍手をして喜んでいた。

いま、日本の雨を見てセネガルの雨季を懐かしく思い出している。

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