JICA海外協力隊の世界日記

みんなあのねのセネガル便り

みんなあのねのセネガル便り 第一号 「ご挨拶」

大好きな子どもたちに。


セネガルでの私の名前は、「Djibi」と言う。

セネガルに赴任後、ティエスという町で現地語の語学訓練を受けていたとき、

ホームステイ先の家族が名前をつけてくれた。

なんだか「Djibi」という音が心地よく、自分の名前が好きだ。

私は、青年海外協力隊の平成27年度1次隊として、

西アフリカに位置するセネガル共和国に青少年活動という職種で派遣されている。

セネガルの首都ダカールから北に260キロ、

長距離タクシーで5時間ほどのサンルイ市が私の任地である。

今年の8月に、同任地の初代青少年活動隊員として市役所に配属された。

現在は、公立幼稚園1校にて、

図工や音楽、折り紙等日本の文化を取り入れながらの情操育成や

異文化交流にかかわる活動をしている。

私の活動先であるシテニャフ幼稚園は、各学年が一クラスずつの小さな幼稚園だ。

シテニャフの園児にとって、幼稚園は喜びと怖さが満ち溢れた不思議な世界なようで、

一度園庭に足を踏み入れれば突然走り出し、笑顔で遊び始める。

親の声が耳に届かなくなるようだ。

朝から甲高い声が園庭いっぱいに響き渡る。

そして、園児のエンジンが全開になる頃には、先生の声が耳に届かなくなり、

先生に「静かにしなさい」と怒られるのが、いつものパターンである。

泣いて笑って、毎日園児は大忙しだ。

先生たちも園児に負けずと、

突然、歌い始めたり、ステップを踏み始めたり、

どこからか太鼓をもってきてお祭り騒ぎになったり、

そして、私までそわそわしてしまうほどの声で子どもを叱ったり、

大忙しである。

セネガルの人たちは陽気で明るい。

そして、不定期だが、州立病院の小児科病棟においても同様の活動をしている。

この病院は、小児科専科の一般病床が約30床、緊急病床が3床、手術前後のための病室が12床ほどある総合病院だ。

小児科病棟内にあるプレイルームとベッドサイドで活動している。

栄養バランスの悪さからくるのであろう消化器官の病気、

生活環境の悪さからくるのであろう皮膚病、

そして、大やけどや骨折など入院理由は多岐にわたっている。

病棟には、長期入院の子どもも短期入院の子どももいる。

病院の子どもたちは年齢層が広く、

病気やケガによって上腕の可動部分に差があったり、車いすや松葉づえが必要であったり、

活動には様々な制約があるのが現実だ。

それでも元気の有り余っている病棟の子どもたち。

たとえ点滴中でも、ドクターに「静かに寝ていなさい」と言われても、
「なにか楽しいことないかな」と、いつも遊ぶことを考えている。

子どもたちは、ワクワクする気持ちを止められないのだ。

「青少年活動」という職種は、曖昧にしか定義ができないと思う。

視点を変えれば、様々な捉え方ができる。

だからこそ、できることがたくさんあると考えている。

任地に来て半年が経ち、楽しいこともうれしいことも、

そして、つらいことも悲しいこともたくさんあった。

悔しいこともたくさんあった。

今は、うれしい気持ちは、トモダチにおすそ分けができるように、

つらさは優しさに変えられるように。

悔しさを忘れずに、どんなときも、自分らしく。

しなやかにたわむことのできる自分の軸を。

そんな想いで活動に行っている。

子ども一人ひとりが「ボクでなきゃ!」と自信をもって生きられるよう、

子ども一人ひとりが「キミでなきゃ!」と仲間の良さを認められるよう、

情操育成という視点から、一歩一歩、活動を進めていきたい。うれしいときは、うれしさをトモダチにおすそ分けできるように、
つらいときは、つらさをやさしさにかえられるように。




日本から約14,000km離れているセネガル。

アフリカ大陸最西端の国から、私の見たセネガルをお伝えしていきます。

これから、どうぞよろしくお願いいたします。

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