JICA海外協力隊の世界日記

みんなあのねのセネガル便り

みんなあのね、「儀式」

活動先のダーラのタリベが割礼の儀式を受けた。

(タリベについて紹介した記事は、http://world-diary.jica.go.jp/nishimura/activity/post_25.php

昔は、その地区や村の長老やマラブが行うこともあったそうだが、

現代のセネガルでは、

病院で割礼を受けることが主流となってきている。

マラブとは宗教指導者のことで、

コーランを教える教育者としてのマラブもいれば、

地域住民の相談相手のようなマラブもいる。

共通していることは、住民にとってカリスマ的存在だということ。

割礼を受ける年齢は

生後から10歳前後までと幅広い。

割礼後、子どもたちは正装を着る。

正装は、黒か白の生地で仕立てられている。

シンプルな作りで、割礼後1週間から10日間ほど着るという。

膝下くらいまでの丈で、

体を締め付けるようなことはなく、ゆったりと着られる。

風通しの良い生地で涼しいらしい。

小さな帽子もあって、取り外し可能なフードのようだ。

普段、コーランの勉強をしたりコーランに基づいた教育を受けたり、

路上にて物乞いをしたりして過ごしているタリベたちであるが、

割礼後の1週間から10日間ほどは、勉強の時間もなく路上にも立たない。

彼らはのんびりと過ごすのだという。

正装を脱ぐころ、勉強がまた始まるのだ。

割礼後に学ぶ歌や章句もあるそうだが、

だんだんと行われなくなってきていると聞いた。

いつもお世話になっているマラブによれば

「時代が変わってきた」のだそうだ。

地域によっては、割礼後に

地域住民も割礼を受けた子どもにお祝いをあげるところがあるらしく、

お祝いをもらおうとするタリベは、路上へ向かい、

道行く人にお祝いをもらおうとしていた。

割礼後、しばらくの間はコーランの勉強の時間がないのならば、

タリベたちは、私の活動にも参加しないのだろうと思っていたけれど、

正装を着たままやってきた。

正装を着たタリベたちは、なんだか可愛らしい。

いつも通りに工作をしたり絵を描いたり、

日本では七五三のお祝いがあるよってお話したり、

のんびりと過ごした。

さて、現代の割礼は病院で行われることが主流だと書いたが、

村落部や経済基盤のしっかりしていないダーラでは、

現在でも長老やマラブによって行われることもあるそうだ。

ダーラとは、

タリベの生活基盤となっているコーラン学校兼寄宿舎のことだ。

活動先のタリベたちは病院で割礼を受けたそうだが、

費用は、ひとり10,00015.000FCFAほどかかる。

日本円にすると20003000円程度である。

私の任地サンルイでは、

バスは100FCFAで乗ることができるし、

お菓子は50FCFAで買うことができるし、

じゃがいも1kg買っても500FCFAである。

割礼の費用は高いと言える。

活動先のマラブは、

「決して安い費用ではないが、

 感染症などの危険性や傷を残さないようにするためを思うと、

 高い費用でもリスクの低い病院で

 タリベに割礼を受けさせたい。」

と、話していた。

割礼の儀式を終えたタリベたちは、

どこか誇らしげな様子だ。

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