JICA海外協力隊の世界日記

みんなあのねのセネガル便り

みんなあのね、「鳥の王国」

少し前の話で、年の瀬にジュッジ国立鳥類保護区へ行った。

ジュッジ国立鳥類保護区は、

仏語ではParc national des oiseaux du Djoudjといい、

セネガルとモーリタニアの国境を流れるセネガル川の

三角州に広がる国立公園で、

350を超える種類の渡り鳥が、

寒い冬を越すために300万羽以上飛来する。

この場所は、世界自然遺産にも登録されていて、

世界で3番目の規模を誇る。

広さは16千ヘクタールほどだ。

サンルイ市内から舗装されていない道を

車で走ること1時間、公園に到着した。

公園内ではボートに乗って、鳥を観察することができる。

ボートが出ると、

それに続くように追いかけてくる鳥の様子を見て、

おかしくて一人で笑ってしまった。

宮城県の松島で観光船に乗ったときに、

同じようにカモメが追いかけてきたのを思い出したのである。

どこの国の鳥も似ているなぁと。

ボートが進んでも目に飛び込んでくるような景色があるわけではなく、

なんだか期待外れだなと思っていると、

茂みの中にいるクロコダイルをガイドが発見した。

小型のクロコダイルのようで、

最初に見つけたクロコダイルの近くには、子どももいた。

そして、同じように茂みの中にオオトカゲも見ることができた。

イグアナのようにも見えたが、

帰ってから調べてみるとイグアナは生息していないようだった。

ボートにどれくらいの時間乗った頃だろうか。

急に、ほかの観光客から歓声が上がる。

そこには、数え切れないほどの鳥たちが羽を休めていた。

その一画にひっきりなしに群れを成して飛んでくる鳥たち。

飛んでくる鳥たちは、きれいな連帯を組んでいて美しかった。

ペリカンが空に向かって飛び立つとき、

羽も足も精いっぱい伸ばすことを初めて知った。

そして、

誰が先頭を飛ぶのか見間違える様子もなく、

息の合った飛び方。

ボートに乗る観光客が皆、興奮した表情を見せていた。

バードウォッチングのメッカとも呼ばれていると、

乗り合わせた欧米からの観光客の人が教えてくれた。

そして、その人が、

ペリカンの群れの中心にいる黒い鳥が、

ペリカンの子どもだと教えてくれた。

親鳥たちは、休みながらも子どもを守るような位置にいた。

最初は、期待外れかもしれないと思ったが(本当に申し訳ない)、

ジュッジ国立鳥類保護区は、まさに鳥の王国であり、

鳥の宝庫であった。

圧巻の一言だ。

セネガルに来たならば、ぜひ足を運んで欲しい。

鳥以外にも、イノシシやウシ、ガゼルなども見ることができる。

同僚に、私がジュッジ国立鳥類保護区へ行き

心から感動した話をすると、

「そんなにすごいのか」と驚いた表情をした。

セネガル人では、

ガイドや運転手など観光業に携わる人以外は、

なかなか行く機会がないそうだ。

子どもたちを連れて、

ジュッジ国立鳥類保護区へ行くのは難しいけれど、

世界文化遺産に登録されている地区の街歩きだけなら、

お金をかけずにできる、はず。

子どもたちと街を歩いてみたいな。街探検!

と、意気込むも、朝晩は肌寒いが、日中は暑いセネガル。

私は暑さから逃れて、

寒いヨーロッパへ飛んでいきたいと思ってしまった。

なにか暑さから逃れる方法はないかと考えていると、

日本の夏のお化け屋敷を思いついた。

早速、これまた同僚に話すと鼻で笑われてしまった。

よし、子どもたちと楽しめる、涼しくなる活動を考えよう。

SHARE

最新記事一覧

JICA海外協力隊サイト関連コンテンツ

  • 協力隊が挑む世界の課題

    隊員の現地での活動をご紹介します

  • JICA 海外協力隊の人とシゴト

    現地の活動・帰国後のキャリアをご紹介します

  • 世界へはばたけ!マンガで知る青年海外協力隊

    マンガで隊員の活動をご紹介します

TOPへ