2017/05/07 Sun
人 文化 生活
みんなあのね、「人がうまれる奇跡」
「ンゲンテという命名式に行って来た。」
と言うと、他人事のような気もするけれど、
私のセネガルでの妹のンゲンテである。
前の日から私は家族のもとへ駆けつけ、
ンゲンテの準備のお手伝いをした。
買い出しへ行ったり、家の掃除をしたり、
ンゲンテ当日の料理の下準備をしたりした。
赤ちゃんが生まれて1週間後に行われるンゲンテ。
赤ちゃんは髪の毛をすべて剃り、眉毛を太くしっかりと書き、
ンゲンテを迎える。
家族はンゲンテのために新しい服を仕立てる。
布屋さんへ行って布を買い、仕立て屋さんへそれを持っていく。
日本の結婚式のお色直しのように、
途中で着替えることもある。
ちなみに、私のセネガルでの母ナフィは、2着仕立てた。
弟のパパも2着仕立てた。
ンゲンテには、家族や親せき、地域の人、家族の友人や同僚、
たくさんの人が集まる。
一人の赤ちゃんの誕生を祝うために、遠方から駆けつける人もいる。
ンゲンテの朝にはラーハを食べる。
ラーハとは、
クスクスとも呼ばれるチェレにヨーグルトソースをかけたもの。
お昼ご飯には、チェブ・ヤップを食べる。
これは、ご飯に羊の肉や玉ねぎのソースがかけられたもので、
セネガルでは、お祝いのときによく食べられる。
羊も 1 頭、この日のためにさばかれる。
ご飯の用意の間、親戚や友だちが順番に赤ちゃんのもとへ行って、
お母さんたちにあいさつしたり、
参加している人同士で話に花を咲かせていた。
食事を終えたら、
かけがえのない命が生まれた喜びを分かち合うように、
未来が明るいものであるようにと希望を分かち合うように、
お母さんも、ンゲンテに参加した人も踊る。
セネガルの太鼓の独特のリズムに合わせ、
日が暮れても踊り続けていた。
ンゲンテで発表された赤ちゃんの名前は、セイノブ。
私の妹は、セイノブ。
どうぞ、よろしくね。
ユニセフの報告しているデータでは、
(https://www.unicef.org/publications/files/APR_2015_9_Sep_15.pdf)
2015年時点で、セネガルの5歳未満の乳幼児死亡率は、
1000人当たり47人で、193カ国中49位。
日本の5歳未満の乳幼児死亡率は、
1000人当たり3人で、193カ国中182位。
ひとつの命が誕生するということは、とても奇跡的なのかもしれない。
セネガルでは流産を経験している女性も多いと聞く。
私の大好きな弟はパパ。
大好きな妹はシルビと、新しく生まれてきてくれたセイノブ。
4人兄弟になった。
そして、親戚をきょうだいと呼ぶならば、
何人兄弟かわからなくなる。
どうか、健やかに育ちますように。
あたたかな未来が待っていますように。
生まれてきたセイノブだけでなく、
きょうだいのひとりひとりがいつまでも笑顔でいられますように。
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