JICA海外協力隊の世界日記

牛vaca日誌 in PARAGUAY

牛のごはん。パート2

こんにちは。サンペドロ・デル・パラナ市派遣、家畜飼育隊員の弓削です。

季節を3か月ごとにきっちりと区切るパラグアイでは、

9月21日をもって「冬」から「春」になりました。

「春」といっても、日本のように新年度になるわけでもなく(パラグアイでは1月1日から新年度)、厳しい冬が終わりを告げたわけでもなく(10℃を下回る寒い日もありましたが、30℃を超える真夏日もありました)、花が咲き乱れるわけでもなく(1年中何かしらの花が咲いています)、特に季節が変わった、という感じはありません。

しかし、少しずつ緑も増え、牛たちも太ってきたような・・・

私たちが支援を行っている小規模酪農家においては、

牛の飼料の大半を草地に頼っており、

緑が減って牛がガリガリに痩せてしまう冬場の飼料不足はとても深刻な問題です。

そこで私は冬を迎える前に、冬季保存飼料、サイレージ作りに酪農家とともに取り組みました(詳しくは、2015年5月21日投稿記事「牛のごはん」を参照ください。http://world-diary.jica.go.jp/obipara/activity/post_3.php)。

今回は、その結果をお伝えしたいと思います。

単刀直入に言いますと、

大成功!とまでは行きませんが、手応えはあったのでは、と思います。

計17戸の小規模農家のうち2戸は腐ったから捨てた、とのことで状況を確認することができなかったものの、15戸では、牛に給与できるレベルのサイレージを調整することができました(ピンからキリまでありますが・・・)。

作業工程を見たことはありましたが、自分では初めて調整を行ったサイレージ。

回を重ねる毎に試行錯誤を重ね、ビニール袋の底を補強したり、袋の閉じ方を変えたりするなど工夫しながら取り組んできましたが、

結局の所、失敗か成功かの大きな鍵は「牧草の水分量」だったように思います。

牧草を発酵させてサイレージを作る上で、水分量が多すぎると腐敗を招く原因となってしまいます。

(左:上手に発酵したサイレージ、右:少し腐敗が進んだサイレージ)

今回の失敗はまさしくこれ。

サイレージを作る前日には牧草を刈り取り、乾燥させといてね、との連絡はしていたのですが、

当日になって、牧草を今から刈り取ってくる!という酪農家も少なくはありませんでした。

また、雨上がりの後でもともとの牧草の水分量が多く、

前日に刈り取って乾燥させても、なお水分量が多かった、など、

今思い返せば、その日に無理にサイレージを作らず、次の日を待てばよかった・・・

と反省です。

しかし、ありがたいことに、来年はもっと作る量を増やしたい、コーンサイレージ(トウモロコシを使用したサイレージ、牧草サイレージよりも簡単に作れる)にも挑戦してみたい、などの嬉しい声もたくさんいただきました。

酪農家の心に冬季飼料の大切さを残せたのではないか、と思います。

今年の冬は終わりましたが、来年の冬に向けて、

今年の反省も活かしつつ、サイレージの普及活動を進めていきたいと思います。

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