JICA海外協力隊の世界日記

牛vaca日誌 in PARAGUAY

牛のごはん

こんにちは。サンペドロ・デル・パラナ市派遣の家畜飼育隊員、弓削です。

5月、南半球にあるパラグアイは、冬に向かっています。

冬になればサトウキビやカメルーンといった青刈り飼料の生育は悪くなります。

茎も固くなり、もちろん栄養価も落ち、牧草地の草は枯れてしまい・・・

と、冬の飼料不足は多くの酪農家が抱える問題です。

そこで注目されるものが、乾草やサイレージといった保存飼料です。

乾草はその名の通り、牧草をただ乾燥させたもの。

サイレージは牧草をサイロ(家畜の飼料を保存する場所、容器等のこと)に詰めて乳酸発酵させたもの。

人間にとっては独特なにおいがするかもしれませんが、牛にとってはごちそうのようです。

私は今年の冬に向けて、保存飼料の中でもサイレージに注目し、

酪農家にサイレージ普及活動を行ってきました。

サイレージの作りかたはとっても簡単。

①飼料作物を収穫

(背の高い、紫のものがカメルーンと呼ばれる青刈り飼料です。その日に必要な分だけを収穫して給与するのが一般的です。)

②細かく細断

③サイロにつめる

(低コストでできる小麦の袋(白)とゴミ袋(黒)をサイロとして使用)

④踏んで空気を抜く

⑤空気が入らないように密封する

これでもか!というほど踏んで、空気を抜きます、

きちんと踏圧、密封されたものは自然と発酵をはじめ、

30日~45日後にはサイレージの完成。

工程だけを見ると簡単なように見えますが、なかなか一筋縄ではいきません。

成長しすぎたカメルーンは茎の部分がとても固くなり、踏んだときにそのまま袋に穴をあけてしまったり、

安いゴミ袋を使ったためか、接合部分(底など、つなぎの部分)が裂けてしまったり、

その他にも飼料作物の水分調整がうまくいかなかったり、

袋を閉める際に針金を使ったら、その先端で袋に穴を開けてしまった酪農家までいたり・・・

実際に作業を行わなければ気付かないことが山ほどあり、試行錯誤の繰り返しでした。

なんとか無事に計17戸の酪農家を訪問し、サイレージ調整もひと段落。

あとは、冬の開封を待つだけです。

私自身、作業を見たことはありましたが、

サイレージ調整に1から携わるのは初めての経験。

袋に穴は開いてないか、ちゃんと発酵するのか、腐敗しないか等々、不安はたくさんありますが、ひとまず、

おいしいサイレージになりますように!

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