JICA海外協力隊の世界日記

牛vaca日誌 in PARAGUAY

「牛歩」(担当:千葉)

こんにちは。

サンペドロ・デル・パラナ市派遣の千葉です。

パラグアイも冬本番。

バイクの体感温度は想像を絶するほど寒く、夏では被るのも億劫だったヘルメットも今では一つの防寒具。手袋にダウンジャケットは必須です。

最近は日本から持ってきた湯たんぽにも、すっかりお世話になっています。笑


さて、もうすぐ活動を始めて1年。

「パラグアイで何をしてきたの?」と問われたら、自信を持って言える成果が見当たらない・・・

そう思っていた矢先、こんなことがありました。

先代ボランティアから定期巡回している酪農家を訪問したときのこと。

いつものように搾乳場へ行ってみると、見慣れぬモノが・・・

前回訪問した時には無かった飼槽が出来ていました!

タイヤや廃材を再利用したもので、決して立派なものではないけれど、充分な代物です。

この酪農家は細断機を所有しているものの、電力不足のため家にあるすべての家電をオフにしないと使えない状況でした。

そのため、今までは収穫した牧草を細断せずにそのまま付与。

酪農家にとってはこの方が楽なのは理解できる。

酪農家自身も、牛たちにとって細断した牧草の方がいいことは理解している。

しかし、やらないという状況が続いていました。


他のことでも当てはまりますが、3代目のボランティアともなれば、概ね1度は酪農家へ提案済みのことばかり。

何か提案しても「お金がない、時間がない」と断られ、訪問しても煙たがられる事もしばしば・・・

そうしているうちに、「ここは電気がないから」「ここには水がないから」「お金がないから」「やる気がないから」と“無理”と決めつけて諦めていたのは自分自身だったんじゃないかと気づかされました。

別の酪農家でも、「乳量を増やしたいなら、まず自由に水が飲めることが大切だ」なんてことを提案したくても、生活水でさえ井戸からバケツで水を引き上げなくてはいけない状況なのに、牛の飲み水を確保できるだろうか・・・と考えては半ば諦めていました。

しかし初めは「水道があればね・・・」と言っていた酪農家も、雨水を貯められるようにバケツを準備したり、時には井戸から何度も水を汲んだりして、酪農家なりに努力してくれました。

最終的には、地下水を汲み取って貯めておけるようなタンクも設置し、手作りではあるものの蛇口も設置することができました。

牛歩であっても、少しずつ少しずつ酪農家は変わろうとしている。

振り返れば、少しは良い方向に変わってきているのかな・・・?と感じることができました。

残り8カ月、酪農家のために、牛たちのために頑張ろうと思います!

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