JICA海外協力隊の世界日記

牛vaca日誌 in PARAGUAY

冬(担当:小林)

こんにちは。
パラグアイで活動をはじめて1年が経過し、JICA事務所での中間報告会があり、各自スペイン語でこの1年の活動を報告しました。

季節も巡って着任したときと同じ冬となり、緑が少なくなったことがはっきりと目に見えます。
パラグアイの冬は7月~9月です。しかしこの間ずっと寒いわけではありません。
最高気温が30℃を超える日もあれば、最低気温が0℃近い日もあります。
そのため服装は半袖で過ごす日もあればセーター、ダウン、マフラー、手袋と完全防寒の日もあるため、私のタンスの中はおかしなことになっています。

寒い日が続くとパラグアイ人から必ずと言っていいほど言われることがあります。
「日本人はこのくらいの寒さどうってことないだろ?」
確かに日本、特に私たちの大学がある北海道帯広市(冬は-30℃まで下がる日もある)に比べれば寒くはありません。
しかし、体感温度はパラグアイの方が圧倒的に寒いです。
その理由は建物に寒さ対策が何もなされていないからです。パラグアイの家はレンガを積み上げただけのものがほとんどです。夏が暑いために窓も日の入りにくい位置に設置されています。さらに暖房はほぼ使われず、お風呂で温まることもできません(水シャワーの家も多い)。
こんなときには日本から持ってきた湯たんぽと寝袋で暖をとったり、日の当たる場所で体を温めたりしてなんとか乗り切っています。

寒さは人々の生活にも影響を及ぼしますが、特に動物たちにとっては生死を左右する要因となります。
先日3日間ほど最低気温が0℃以下となる日が続き、霜が降り、それまで緑だった牧草が枯れてしまいました。
周りを見渡すと夏の時期と比べてガリガリに痩せたウシが枯れた草地を歩いていたり、生まれたばかりのコブタやヒヨコが死んでしまったりと被害は小さくありません。

このような現状から活動課題の一つとして掲げているのが冬場の飼料確保です。
私の任地では巡回している酪農家さんと一緒に冬に備えてサイレージ(牧草やトウモロコシでつくる貯蔵飼料)を作っていました。
酪農家さんの理解や配属先の協力のおかげで、ウシが痩せこけることなく冬を越せる量を確保することができました。
酪農家さんからも「サイレージがあってよかった。」「来年はもっとたくさん作りたい。」とのお言葉をいただき、冬に備えるという大切さは十分に理解してもらえたのではないかと思います。

冬が終わり、緑が戻ったときにたくさんのウシたちがまた広い草地でのんびり過ごす姿を見られるようにより多くの酪農家にサイレージ作りを知ってもらいたいと思います。

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