JICA海外協力隊の世界日記

牛vaca日誌 in PARAGUAY

冬の始まり。

こんにちは。

南半球に位置するパラグアイは日本と季節が逆です。

3カ月ごとに季節をきちんと区別しており、6月21日(夏至)を以て、冬が始まりました。

一年中温暖なイメージがあるかもしれませんが、

明け方の気温は1ケタ台まで下がる日もあり、とても寒い日が続いています。

特に今年の冬は一昨年、昨年の冬よりも格段と寒く、

6月中旬には5日連続で霜も降りました。

ここまで寒くなったのは3年ぶりだそうです。

それまでは緑を残していた植物も、

霜が降りた後は一気に冬の装いに模様替えです。

小規模酪農家に限らず、パラグアイでは家畜の飼料の大半を牧草地での採食や、青刈牧草(その都度畑に行って刈り取って給餌する牧草のこと)に頼っています。

この写真は、カメルーンと呼ばれる青刈牧草の写真ですが、

霜に当たった葉の部分はこの通り、枯れてしまいました。

3年前に寒波が襲った時は多くの牛が死んでしまったそうです。

聞いたところによると、直接的な原因は寒さではなく、エサ不足に起因するものだろう、とのこと。

それを防ぐためにも、冬季用保存飼料であるサイレージは必要不可欠だと思っています

牛が死んだ話を聞いたり、活動当初に行ったアンケート調査で「冬の飼料不足」を問題として挙げた酪農家さんが多かったりしたため、それを解決すべくサイレージ普及活動を行ってきました(詳しくは、http://world-diary.jica.go.jp/obipara/activity/post_3.php まで!)。

しかし、昨年の冬は、今年ほど気温は下がらず、牧草が霜でやられることもなく、飼料もそこまで不足しなかったからか、酪農家の反応はイマイチ・・・。

今年もサイレージ作成を酪農家と共に行ってきましたが、正直なところ、

リスクの高いサイレージ(必ずしも良い品質のものが出来上がるとは限らない。保存するためには密封を保つことが重要だが、その意識が低く、穴が開いても放置、結局腐らせてしまうケースも多い)を作るよりは、牧草をサイレージ用に刈り取らないで、そのまま残しておいた方がパラグアイ人には向いているのかな。。。と思った時期もありました。

しかし!

今年の霜にやられた牧草を見て、やはり、サイレージは大切だ。と痛感。

冬用に牧草を残したって、霜で全てやられてしまったら意味がありません。

まさに、

「備えあれば患いなし」。

今年の冬の状況から飼料の大切さに気付いてもらい、

来年は、酪農家さん自ら積極的にサイレージ作りに挑戦してもらいたいな、と思うばかりです。

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