JICA海外協力隊の世界日記

牛vaca日誌 in PARAGUAY

仔猫生まれる。

みなさん、おはようございます、こんにちは、こんばんは。ヘネラル・アルティーガスの渥美です。

最近ニュースで、「酷暑のおそれあり!」なんていう恐ろしい内容の特集を見かけました。それによると、今年はパラグアイも記録的な暑さに見舞われており、まだまだ40日以上は続く見込みだとか…。

ただでさえ暑いのになんということか、と肩を震わせていましたが、その4日後に雨が降りました。(しかも強風付き)。

パラグアイの天気予報の不安定さに驚くとともに、雨の日恒例、自宅での事務作業に入りました。

1年半も経ち、帰国目前の老兵隊員ともなれば、ドタキャン、ドタ変更という協力隊あるあるがあっても自分の感情を抑える術を心得ています…。

強風で折れた木の写真は前回載せたので割愛です(笑)

さてさて、実はステイ先の家族で猫を飼っているのですが、その猫の名前は僕が付けました。名を「つばさ」といいます。なぜこの名前を付けたのかというと、僕の名前は翔(しょう)というのですが、それに近い意味のものがいいなと思ったからです。僕がパラグアイを去った後でも家族がつばさをみて僕のことを思い出してくれるといいなという小さな願いも込めています。

そのつばさを僕は娘同然に可愛がってきました。が、僕が任地を少し空けていた隙に仔を身ごもっていたのです。相手も知らず、やや複雑な気持ちでしたが「つばさとつばさの仔は守らねば!」という気持ちになりました。みるみるお腹は大きくなり、足取りも重くなっていきました。その状態に入ってからは少し期間があってむしろまだ生まれないのかと若干不安になりましたが、家族は「ほっとけばそのうち生まれる。勝手に産むわよ。」と衝撃の発言。さすがパラグアイ、動物には厳しくが基本方針のようです。ライオンだろうがなんだろうが仔は深い谷に突き落としそうな勢いです。

そして、ある夜、つばさからの熱視線を感じ、そちらをみると、

「準備ができました」

というつばさの心の声が(脳内補正が施されております)聞こえ、その時をなんとなく察しました。近くにいた方がいいのか、何もしないのがいいのか、あるいは見守ることもかえって緊張させてしまうかもとうろたえましたが、パラグアイ流にしたがい、つばさお気に入りの布を部屋の角に置き、遠くから見守ることにしました。

そして約30分後、つばさはお母さんになりました。ちょっとした休憩時間程度ですね。

心配をよそに、わりとあっさり出産し、あっさりとお母さんになりました。立ち会ったことのある牛の出産、犬の出産とは違い、産気づくような様子はなく、まるで何も起こっていないかのように

スルッ

コロッ

ポロンッ

といった感じで出てきました。僕が勝手に身構えすぎたせいか、猫の普通を知らなかったせいか、現実は想像の斜め上をいっており、

「ん?んーーーーーー?」といいながら3,4度見ぐらいしたと思います。

こうして、無事に4匹の仔猫が生まれました。

1匹は茶トラ、2匹は黒トラ、そして残る1匹はつばさにそっくりな白地に茶色と縞模様をところどころにあしらった、The 雑種 といわんばかりの毛色でした。

家族の言った通り、ほぼ人の手を借りることなく出産をやってのけたつばさ。日本ではやんややんやと大騒ぎしますが、こちらではほぼ放置。僕ができたことはお気に入りの布を移動させるだけでした(笑)。ですがそれがあるべき姿なのかもしれません。

何もできなかったけれど、目も開いていない仔猫が一生懸命母親を探して鳴く姿や、穏やかな顔で乳を与えているつばさをみて、命の力強さや命が繋がった瞬間の何とも言えない気持ちを学ぶことができました。

仔猫たちが元気に育ってくれますように。

それではまた後程。

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