JICA海外協力隊の世界日記

ベトうし日記

青年海外協力隊の派遣目的 その1 

開発途上国の経済・社会の発展、復興への寄与

 今回から3回は協力隊が派遣される目的についてまとめます。

 目的は3つ、1つ目は「開発途上国の経済・社会の発展、復興への寄与」です。つまり活動の中で「仕事」の部分です。私の場合は獣医師、特に畜産分野を専門とした産業動物獣医師としての活動です。協力隊を募集する際に公表される要請(http://www.jocv-info.jica.go.jp/jv/?m=BList)、つまり求められる活動の内容は主にこのことについて書かれており、各隊員の活動において唯一共通ではない部分だと思います。

 私の応募した要請は「大規模牧場での乳房炎、繁殖障害、蹄病を主とした乳用牛の各種疾病の予防と治療方法について同僚たちと相談しながら改善する」というのが大まかな内容でした。実際のところは状況を見て他の事もたくさん、というか他のことをより精力的にやってきました。

 途上国支援では「魚をあげるより、釣りの仕方を教える支援」、つまりお金や高い機材・薬剤などをぽーんとあげてしまうのではなく、長く役立つ技術や情報を提供する支援が良い支援といわれます(もちろん最貧国や差し迫った状況ではまとまったお金や食料、医療器材や薬剤が直ちに必要です)。井戸掘りなら、掘ってあげるのではなく掘り方や維持管理を教えることが“上”という事です。私の場合だと、現地の人に変わって治療するよりも、予防や治療の仕方を教えることの方が相手のためになるということ。

 ただその場合、同じ病気でも病状は個体によって違うし、そもそも病気だっていろいろあります。そこで私が考えていたのは、もっと根本的な、あらゆる疾患や生産性につながる産業獣医師的思考を伝えようという事でした。例えば、牛たちが十分な栄養を与えられ、健康でストレスもなく、清潔な牛舎で飼われていれば、病気になりづらいし、遺伝的能力を存分に発揮して牛乳をたくさん出したり大きく早く成長するという事です。また治療にあたっては、多くの疾患で共通する、押さえておくべき点。

 なんて偉そうに書いていますが、私自身、知識も技術もまだまだ未熟だと思っています。という事で、こっちに来てからも勉強したり、同僚たちと相談したりする中で、一緒に悩んできたというのが正直なところです。

 魚をあげるのではなく、釣りを教えるのでもなく、目の前の魚をどうやって効率よく捕まえるか一緒に考えましょう!!と言い続けてきた2年間でした。

 ちょっと長くなりましたが、あとの2つもお楽しみに~

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