ルワンダかけはし通信~ブホロ ブホロ

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小郷 智子
(大阪府)

ボランティア/職種
青年海外協力隊
コミュニティ開発
派遣国
アフリカ
ルワンダ ルワマガナ郡
一言メッセージ
かねてからの「途上国の現場を見たい」という思いから、銀行を辞めてルワンダの地へ。人々の温かさに触れながら、日々ルワンダと自分の可能性に挑戦しています!合言葉は「ブホロブホロ(=少しずつ少しずつ)」!

 

貯金講座発展編①~地道な普及活動

2019.01.10

活動

そろそろ雨季も終わりに近付いてきたと思っていた矢先に、大雨が一週間程続き、肌寒い日々です。同僚や友人とも「最近寒いねー!」「熱いお茶を飲まないとね!」と話しています。が、よくよく気温を調べてみると日中最低気温は15℃...。帰国後日本の冬に耐えられるか心配な今日この頃です。

さて、今回は以前紹介した貯金講座について、その後の発展状況を2回に分けて紹介します!

■子供向け貯金講座

以前世界日記で子供向けに貯金講座を実施した事を紹介しました。

◇世界日記_最近の活動状況について~貯金講座開講中!【再掲】

http://world-diary.jica.go.jp/ogotomoko/activity/post_8.php

このYEGO Centerでの貯金講座終了後、「いい活動だから、もう少し続けて欲しい」と通訳担当者(=神父さん)から依頼があり、子供達に貯金が定着するまで、週末彼の管轄する教会で定期的にチェックを行っていました(子供達のリクエストで、時々空手も教えつつ)。

【写真①:週末通帳で貯金状況チェック+時々空手教室】

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その後さらに経験を活かし、活動の裾野を少しずつ広げているので、その様子を紹介したいと思います。

■友人向けレクチャー1:口コミで近所の人へも

友人のMs.Rは将来自分のカフェを出店したいので、私はそれを支援しています。彼女の将来のカフェ設立資金として貯金をレクチャー。するとMs.Rがご近所さんにも貯金の話をしたらしく、「『貯金をしたいので教えて欲しい』というご近所さんがいる。教えてあげて貰えない?」と言われ、近所のアリメン(=雑貨屋)のおばちゃんにもレクチャー。彼女は子供の進学資金を貯金したいという目的があり、「その目的は素晴らしいね。少しずつ続けて行こう!」と貯金箱と貯金の記録の仕方も教え。数日後、「もう忘れたかな…」と思いながらアリメンに行くと、貯金箱には沢山のコイン、ノートにはしっかりと貯金記録が!!「頑張っているね!その調子で続けていけば、ちゃんと貯まるよ!」と鼓舞すると、ちょっと嬉しそう。私も、彼女が続けてくれているのが嬉しかったです。

【写真②:友人Ms.Rに貯金レクチャー】

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【写真③:上、中_その後更にMr.Rの友人へレクチャー/下_暫くしてから再訪すると、ちゃんと貯金続けていた】

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■友人向けレクチャー2:今後のユース支援にも

また、別の友人Mr.Aにも貯金講座をレクチャーし、考え方を伝授中。彼は別で外国人の支援団体とユース向けのプロジェクトを立ち上げる計画を進めているので、この講座が今後の彼の活動の参考になればと考えています。彼には私の作ったレジュメ(英語)のキニアルワンダ語訳を依頼しているので、これが完成すれば、私の帰国後も講座を続けるいい教材になると思っています。

【写真④:Mr.Aの持っている教室でレクチャー】

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■主軸の活動はSACCOとの協同貯金講座

こうした友人ネットワークの中でレクチャーしつつ、主軸の活動として、SACCO(=ルワンダの公共マイクロファイナンス機関)と協同で貯金講座を実施しています。前回の貯金講座の世界日記にも『...SACCOと協同で実施するのも視野が広がって面白いかなあとも考えています』と記載していたので、目標に向かって一歩ずつステップを踏んでいる実感があります。

とはいえ、決して順調に物事が進んだ訳ではありません。

SACCOの融資担当者Mr.Iに貯金講座の企画を説明し、「SACCOの顧客が貯金の仕方を学べば、きちんと資金管理をするようになり、顧客達は将来のプランも立てやすくなるはず。しかも融資返済も滞りづらくなるだろうし、そうすれば顧客だけではなくSACCOとしても非常に有益ではないか?(事前に「SACCOでも滞納が結構な割合で発生し困っている」、という事をヒアリング済)。私はルワンダで子供達向けに貯金講座を実施した経験もあり、内容としてもシンプル且つポイントを押さえているものなので、誰でも理解できる。一緒に協同で実施したいのだが、どうだろうか」と説得。担当者は「それは実にいい企画だ。是非一緒にやろう」と快諾。が、Mr.Iは何せ顧客訪問でフィールドにいったり、毎月月末月初には報告レポートを作成したりと多忙。その合間で打ち合わせを重ね、ようやく選出して貰った対象顧客3人(=レクチャーの候補者)へ訪問し、貯金講座に興味がないか説明。そしてレクチャーを始めようとすると、顧客側に色々不都合が発生し、もう一度振り出しに戻り選出し直し...。

紆余曲折を経ながら、改めて顧客を1人選出して貰い、その顧客に貯金講座に興味がないか説明。「興味があるので教えて欲しい」という合意のもと、やっとレクチャーを開始。

【写真⑤:担当者Mr.Iは多忙だがきちんと話を聞いてくれる】

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【写真⑥:Mr.Iと色々な顧客を一緒に訪問し、最終的に対象となる顧客と合意】

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彼女は夫婦で村のバーを経営。なので、レクチャーをしにお店に行くと、数人の(平日の昼間から)お酒を飲んでいるお客さんがいて、「お、何やってんだ?」、「(ムズング[=外国人]が話している事は何かメリットがあるに違いない)、俺にも教えてくれ」、「そのレジュメが欲しい」、「電話番号を教えてくれ」...等々声を掛けられます。Mr.Iが一緒の時は彼が説明をし、必要に応じて追い返してくれますが、一人の時はそうもいかず。興味を持ってくれるのは嬉しいですが、真剣度が分からないので、「これは貯金講座だよ。彼女はSACCOのお客さんだからレクチャーをしているんだ。興味があったら、次回は●月●日●時~ここでやるからおいでよ。そしたらレジュメをあげるよ」、「電話番号は、仕事用だから教えられないんだ。だけど、郡庁で働いているから、何かあったら郡庁に来てくれれば会えるよ」、と回答しています。今のところ約束の日に2度目にいる事はなく、郡庁まで来訪する人もいません。

そんなこんなの中でレクチャーを継続。彼女は自分の持ち家を購入する為の資金として貯金を始めたいとの事。時間がある時は旦那さんも同席。そして、貯金したお金は定期的にSACCOの口座へ入金するという事にもなり、SACCO側にもメリットが出る結果となりました(返済資金の確保)。最後のclassまで完了し貯金箱と貯金通帳も作成。現在彼女は売上資金からコツコツ貯金を続けています。

【トップページ&写真⑦:Mr.Iと顧客へレクチャーしている様子】

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■郡庁にて省庁主催の貯金セミナーに参加(10月)

SACCOと協同で貯金講座をしている事は毎月のレポートでボス、同僚にも定期的に報告しており、「よい活動だ」と理解してくれています。

ある日の朝、郡庁のボスが必死に「今から会議があるんだ。Savingについてだ。どうして行かないんだ!」と声を掛けてきました。(いつものように)そもそも予定を聞いていなかったし、私は自分で事前に予定を組んでいて突然の予定は断るようにしているのですが(「トモコには事前に予定を伝えなければいけない」という事を習慣づけて貰うため)、この時はとにかくボスが「savingの会議なんだ。すぐそこでやっている。トモコにとっても大事だ。今すぐ行くように!」と非常に強く勧めてくれたので、内容もよく分からないまま会場へ。

内容はキガリからMinistry of Finance and Economic Planning(日本でいう財務省?)の役人(?)がやってきてsavingについて説明する、という非常に 大がかりなセミナー。1日目が郡庁職員向け、2日目が各地域やコーペラティブ(協同組合)の代表者達向けというもの。

レジュメもホチキス止めの物がしっかり準備されていて、担当者がプロジェクターを使って熱心に説明。キニアルワンダ語だったので詳細の内容は分かりませんでしたが、スライドの概念図等を見て恐らく非常に大枠の話をしている様子。市民向けではないような印象を受けました。大半の人はやや疲れ切った様子で話を聞いていました。

【写真⑧:上_1日目/下_2日目。いずれもほぼ満席であるが、皆どこまで理解出来たものか...】

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セミナーの終盤にモバイルマネーを使って貯金が出来るシステムを紹介。電話の通信会社のネットワーク上に貯金専用口座を開設し、携帯電話の通話料金をこの講座へ振り込む事で貯金を促進するというもの。個人のプロフィール(年齢、住所、仕事...)も細かく登録できる事も紹介していたので、「プロフィール毎に貯金傾向のデータを蓄積したり、プロモーション戦略に活用するのかな…」とみています(日本でもビジネス戦略として用いられています)

(参考)◇世界日記_携帯電話~その①:利用状況と通信事情【再掲】

http://world-diary.jica.go.jp/ogotomoko/person/post_16.php

携帯電話とプロジェクターを使ってデモンストレーションで解説し、人々はその新規性に面白がってワイワイと話していましたが、今の状況では実用性は低い気がしました。モバイルマネーはあくまでツール。貯金に関する考え方をしっかり持たなくては宝の持ち腐れ。まずは貯金の基礎をシンプルに伝えるのが最優先だと思いました。

そこで、2日目のセミナー終了後、省庁関係者に感想を伝え、「私も地域で貯金講座を実施している。一緒に協同する事は出来ないか」と突撃提案。が、彼らは自分の仕事をこなすので精一杯で、協同して新たな仕事を抱え込む余裕は無い様子だったので断念。次のチャンスを探すことに。

ただ、省庁関係者も貯金への関心が高まっているという事を知る事が出来たのは非常に有益でした。ボスの急でしたが強いおすすめ情報に感謝。

次回は、その後SACCOの会議でレクチャーするチャンスが到来した話と、その後の貯金講座の推進状況について紹介します!