JICA海外協力隊の世界日記

クズ・ザンポーラ♪ 幸せの国の農場便り♪

National Seed Center♪

クズ・ザンポーラ♪世界中の皆さん、こんにちは♪

今日は前回の投稿の最後に少し触れた私の配属先についてを少しお話しさせて頂きます。

今、私が活動する配属先はタイトルに有る様に「National Seed Center」(国立種苗センター)通称『NSC』の関連農場であるBondey Farm.にて活動をしております。

まず、上の写真は私達が生産する種子の見本(実際の中身は入っておりません)の棚になり、これはNSCの本部の玄関前に展示しております。

そして、私達が生産する種子は蔬菜類だけでも22品目以上有り、各品目毎に多くの品種が存在しております。

さらに、私達は蔬菜類以外にもお米やトウモロコシ等の穀類、大豆油やマスタード油等の油脂植物類、果物の苗木に牧草の種子等も生産・販売しております。

これらの私達の生産する種子がブータン国内の作物栽培において、約半数の割合を占める事からも私達の行う種苗生産活動はこの国の農業生産の根幹を支える重要な仕事だと言う事に結果的にはなります。

この写真はブータン国内に9つ有るNSCの関連農場が生産した種子を回収して、機械による選別作業を行い、最終的に販売用の袋にパッキングをしているトコになります♪

今の時期は私の活動するBondey Farm.でも本格的な夏の採種シーズンを過ぎた為、畑で採種した種子は人の手により丁寧に調整、選別作業を行い、この最終調整機械及びパッキング施設が有る本部へ搬入します。

私達の種子袋は日本の種苗会社さんによる種子の袋に比べてとてもシンプルなデザインですが、私達の生産された種子がこのパッキングされた袋を通じてブータン国内に流通されるのを思うと長い月日をかけて生産した自分にとってはやはり嬉しくなります♪

加えて、こちらの写真は出荷調整部門とは別でNSC本部に存在する組織培養部門の実験室の様子です♪

私達のセンターでは野菜や果実の種子及び苗の生産以外に同じく種(種芋)や苗の開発の目的で組織培養部門が有ります。

この「組織培養」と言うのは植物の細胞は動物の細胞と異なり全能性(一つの細胞から植物全体が再生出来る性質)が有り、その性質を活かしたバイオテクノロジー技術になります。

写真に写っているのはその組織培養技術でジャガイモの小さな細胞片(塊茎)を無菌的に培養してマイクロチューバー(マイクロチューバーよりも少し大きな細胞:塊茎を利用するミニチューバーも存在)と呼ばれる小さな種芋が生産されているトコです。

この技術により従来の圃場での種芋生産よりも急速に新品種等の普及が可能になりかつ、ウィルスフリーの種芋を得る事が出来るようになります。

また、この技術を応用してジャガイモ以外にも私達はバナナやキウィ等の果実にも挑戦しており、同時に私達は(写真は有りませんが)土を使わず最低限の水と液体肥料をスプレー噴射して植物を栽培する「エアロポニック栽培」もジャガイモで行っております。

ただ、現在のブータンではこれらの先端技術を駆使してもそれを上回るジャガイモの需要が有り、通常の種芋生産もブータン中部の標高3000m付近の農場を中心に生産されています。

この様に私達「National Seed Center」は様々な方法で先に上げた様に、ブータン国内の食事情を支える為の種苗生産に日々、全力を注ぎながら、自身もその種苗生産技術の指導に微力ながら貢献をしております♪

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