JICA海外協力隊の世界日記

赤い土に暮らして

感じ方の変化

カンニングに対する考え方が変わった。

ひとつ。以前は腹を立てていたのだが、最近では悔しくなる。

カンニングを見つけた場合、わたしは容認できないので何かしらの罰を与える。
担当教科の場合、即退場・0点にする。
他教科の場合、
・私語には注意し席移動などで対策を講じるが私語やよそ見を続けた場合、その時点で解答を取り上げ退場させる。
・カンニングのすり替えは即退場、点数はその時点のもの。

以前だったら腹を立てていたものの、今は退場する生徒が出た場合、申し訳なく思う。私がもっと目を光らせていれば、開始前に自分のスタンスをしっかり伝えていれば、防ぐことができて生徒もテストと向き合う時間が増えたのではないかと後悔する。

ひとつ。カンニングが減ってさみしくなる。

テストに真剣に向かう姿を見ると嬉しく思うのだが、モザンビーク人らしく茶目っ気たっぷりにカンニングをする姿が見えなくなって、なんだか寂しさを覚える。
1時間、2時間立ちっぱなしで試験監督をする間、以前なら私語に対する注意などでテスト中にも笑い声や冗談を言い合ったりがあったのだが、最近ではぼーっと立っているだけで、早くテストが終わった生徒は解答を提出しさっと帰ってしまう。テスト期間中、生徒とコミュニケーションが少なくなるのもちょっと寂しい。

ひとつ。成績にはきちんと反映されるので、カンニングも楽観的に。

カンニングをすると普段はできない人が思いもよらない点数を取ると思いきや、年間を通して成績を集計すると一定でリスクを冒してまでするカンニングの意味がないじゃないかと思ってしまう。私が神経質にカンニング(私語やよそ見含む)を捉えているだけで、許容したって大丈夫じゃないか。それがモザンビークらしくて良いのかなと、思ったりする。仕事を適当にしているわけではないけど、楽観的になるとイライラやピリピリも少なくなって、何人もが同じような誤った解答をしていてもクスッと笑えるようになった。


この学校に赴任して、1年が経とうとしている。少しづつ見え方や捉え方が変わってくる。日々感じることを大切にしていきたい。

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