JICA海外協力隊の世界日記

薬剤師のウガンダ秘境滞在日記

5S活動

 今回は私の主な活動内容の一つである「5S活動」について紹介します。

 まず、私の配属先はカプチョルワ県保健事務所(District Health Office)です。保健事務所はカプチョルワ県立病院とヘルスセンターを管轄しています。

 県立病院(General Hospital)とヘルスセンターⅣは手術を行う機能を有しています。

 ヘルスセンターⅢは小さな入院設備があり、帝王切開はできませんが正常分娩を行うことができます。

 ヘルスセンターⅡは外来患者ブロックだけがある診療所です。

 カプチョルワ県には公立の医療施設として県立病院が1つ、ヘルスセンターⅢが7つ、ヘルスセンターⅡが11あります。

 カプチョルワ県立病院には2007年から3代に渡り薬剤師JICAボランティアが入っており、私は4代目の薬剤師ボランティアになります。

 上の写真は初代薬剤師ボランティアが来た時と現在の病院内薬局の調剤場所を比べたものです。ボランティアが入ってから明らかに環境が改善していますね!

 カプチョルワ病院の薬局がすごいらしい!とウガンダ人の中で噂になっていたり、国の保健省からの賞賛も聞きました。

 薬剤師が一人もいない県でこの薬局を作り上げた先輩隊員方に、尊敬以外の言葉がありません!

 5Sとは「整理」「整頓」「清掃」「清潔」「しつけ」、英語で「SORT」「SET」「SHINE」「STANDARDAIZE」「SUSTAIN」の頭文字を表したスローガンになります。
 日本では工場を中心に広まっている手法ですが、ケニアやタンザニアといったアフリカ諸国やアジアでは保健医療施設等にも取り入れられています。

 カプチョルワ病院は2009年から5S活動を開始し、多くのスタッフに5S活動は認知されています。

 4代目の私から県立病院だけではなく、県内のヘルスセンターもターゲットとなりました。
 そこで、ヘルスセンターに新しく5Sを導入する活動をしています。

 まずはじめに、シピヘルスセンターⅢをモデル施設として5Sの導入を行いました。
 センター長と共にJICA主催の5Sワークショップに参加し、その後ヘルスセンターのスタッフと5Sの手法を共有しました。

 そして誰よりもセンター長に意気込みがあり、彼が今やろう!今やろう!とスタッフを引っ張ってヘルスセンターの環境改善に取り組んでいます。

 上の写真は、患者さんにわかりやすいようにしようと記録置き場と診察室の配置換えをした時のものです。

 そして今月、シピヘルスセンターⅢに他のヘルスセンター長を呼んで、5Sワークショップを開催しました。
 講師として説明をに来てくれたのは、5Sナショナルファシリテイターです。
 彼は、カプチョルワ病院が初代薬剤師ボランティアと共に5Sをはじめた時に病院の5Sマネージャーに就任しました。
 それから日本で研修も受け、今はウガンダの5Sナショナルファシリテイターとして活躍しています。残念ながらカプチョルワ病院から異動してしまったのですが、隣県で勤務しているので私の活動を力強くサポートしてくれています。

 スタッフと共に整理・整頓・清掃をしていると、薬がネズミの糞尿に汚染されていたり、倉庫に大量の期限切れの薬品を見つけたり、注射器が庭に落ちていたり、日本では考えられないことがあります。

 医療現場の衛生環境を少しでも整えて、スタッフがより働きやすいように、そして何より患者さんが適切な医療が受けられるように助力していきたいです。
 次の目標は、シピヘルスセンターから次のヘルスセンターへ5S活動を導入していくことです。

 では、最後まで読んでいただいてありがとうございました。

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