薬剤師のウガンダ秘境滞在日記

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岡本 芙美
(兵庫県)

ボランティア/職種
青年海外協力隊
薬剤師
派遣国
アフリカ
ウガンダ カプチョルワ県
一言メッセージ
ウガンダ,カプチョルワ県唯一の薬剤師として医療の質の向上のため試行錯誤しています。現地語でモチモチ、日本語でぼちぼち前へ進んでいきたいです。

 

マールブルグ出血熱②

2017.12.09

病院

 前回の記事に書いたとおり、カプチョルワ県ではマールブルグ出血熱のアウトブレイクが宣言されました。そして、最後の感染患者が確認された後42日間は新規の感染者が確認されなかったため、12月に政府より終息宣言が出されました。

 その間、カプチョルワ県では様々な取り組みが行われました。

 

 まず啓発活動です。

 レストランやホテル、学校など人が集まる場所を中心にマールブルグ病の症状や感染に関するポスターが貼られました。サルやコウモリといった野生動物に近づかないこと、病気の早期発見のために症状を知ることはとても大切です。ポスターは英語だけではなく現地語に訳されたものも作成されました。

 マールブルグソング。

 啓発用の歌が作られました。現地語なので私には詳しい内容は分かりませんが、ポスター同様にマールブルグ病について学べるようになっているそうです。ラジオで流されました。

 手洗いタンクの設置。

 WHO、UNICEFの支援によって病院内と各ヘルスセンター(診療所)に患者さんのための手洗いタンクが設置されました。石鹸はたびたび盗まれてしまい、手洗いタンクと共に供給するのは難しかったようです。これを機に手洗いの習慣が身について欲しいです。

 緊急ダイアルの設置。

 県内のヘルスセンターでマールブルグ病の疑いのある患者が確認された場合に判断を仰ぐ電話番号が作られました。多い時で1日に10数件の連絡が入り、県の保健局員が対応していました。

 医療スタッフの教育。

 マールブルグ病に関する知識はもちろん、PPE(個人用防護服)の着脱方法や消毒についてのワークショップが開かれました。挨拶で握手を交わすのはやめよう!と決まり、医療関係者の挨拶は手をグーにし、甲をコツンと合わせるようになりました。

 外来患者トリアージセンター。

 外来患者さんの名前を控え、体温を測って記録する小屋が建設されました。今まで、外来患者さんの体温を測る習慣がなかったので、これを機に体温を測るようになって欲しいです。ただし、今回寄付された体温計の電池が切れた後は、不安が残りますが。。。

 また、今年度のカプチョルワ県医療状況に関するカンファレンスが行われました。

 WHOの職員から「マールブルグ病」についてのまとめや、保健局長から県内の問題点などが上げられました。妊婦検診の受診率の低さや検査もなくマラリアと診断されている状況などが問題点として取り上げられました。

 写真は、今年度がんばって質の良い医療を提供してきたカプチョルワ病院が表彰されたところです。

 5Sを新しく導入したシピヘルスセンターも医療の質が上がったと表彰されました。

 マールブルグ病だけではなく、私にとっても1年を振り返る良い機会となりました。

 以下は、マールブルグ病終息宣言をふまえてのWHO職員の言葉です。

『今回の終息宣言は人から人への感染がフリーになった(制御できた)ことを示すものです。野生動物からのマールブルグ病の感染リスクからフリーになった(なくなった)わけではない。引き続き予防対策を続ける必要があり、次回他の地域でアウトブレイクが起こった際、カプチョルワ県には、今回の経験を活かしてリーダーとして牽引して行って欲しい。』

 マールブルグ病の発生は風評被害や、患者さんや家族の不安の助長など様々な問題もありましたが、カプチョルワ医療スタッフ、そして私にとっても貴重な経験になりました。

 経験を活かして、日頃から医療の質の向上に繋げていきたいです。

 最後まで読んでいただいてありがとうございました。

 メリークリスマス & 良いお年を。