ガーナで日本人が数学を教えてるらしいよ。

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佐原 光
(千葉県)

ボランティア/職種
青年海外協力隊
数学教育
派遣国
アフリカ
ガーナ
一言メッセージ
西アフリカ・ガーナ・数学教育隊員。日々の授業、理数科隊員たちとの活動、趣味の日本玩具で日本文化を広める活動等、ガーナでの2年間を紹介します!

 

科学実験キャラバンツアー開催!!

2017.09.16

活動

8月が終わり、夏休みが明け、私の働く学校では先日から新学期が始まりました。
夏休みというと、前職で科学館にて働いていた頃は、館内が家族連れのお客さんで賑わう、年間で最も多くの来館者のある時期でした。
日本の子供達は夏の長期休暇中というと、科学館で遊ぶほかにも、遊園地、旅行、キャンプなどなど、楽しいことが目白押しかと思います。
ガーナの子供たちはというと、、、娯楽施設やイベント参加などもほとんどないため、家の近所の友達と遊んだり家でゆったりくつろいだりなど、普段と変わらぬ過ごし方をしています。

そこで、ガーナの夏休みの初め、私たち理数科分科会(教師隊員で構成)は、子供達に科学に触れて・科学を楽しんでもらうためのイベント、科学実験キャラバンツアーを行いました!!
今年はガーナに協力隊員が派遣され始めてから40周年ということで、それを記念してガーナの4州5校を周る大規模なガーナ行脚を実施しました。
ツアー先は下の画像の通りです。

ガーナでの主な移動手段はトロトロと呼ばれる乗合バス(ワゴン車)です。
今回のキャラバンの移動も基本トロトロで、日によってはなんと6時間近く車に揺られることもありました。。。
実験道具を持ちながらガーナ中を周るのは正直大変でした。。。

【キャラバン開催の背景】
ガーナでは、教材や設備の不足、指導者の知識不足、カリキュラムのボリュームに対しての授業時間の少なさ等の問題から、授業の中で実験を行うことがなかなか難しい状況です。
そのため、ガーナの子供達は理科の授業では座学が中心となり、実際に科学の現象を見て、自身で触れて理解を深める機会に恵まれていません。
そこで、ガーナの子供達が科学を体験し、今までに経験したことのない科学の新しい見方から、科学への好奇心や探究心に繋がって欲しいと考え、今回のキャラバンを企画しました。

【実験内容】
実験は二部構成で行いました。第一部はステージでの科学実験パフォーマンス、第二部はグループでの体験型の実験教室を実施しました。

『第一部:科学実験パフォーマンス』

空気砲:科学パフォーマンスの定番(?)、空気砲!ダンボール箱に丸く穴を開け、側面を叩くと空気の弾が穴から放たれます。目には見えないけど、撃たれてみると肌で空気の弾を感じることができる不思議な体験に、子供達は夢中になっていました。また、線香の煙を箱内に充填し、それを飛ばすことで空気の弾の可視化も行いました。弾の形がリングであることに驚く子供達の様子が見られました。

圧力実験:テーブルに並べられた紙コップ。その上に板を置き、子供達に板の上に乗ってもらいます。初めは数十個の紙コップの上に乗ってもらい、徐々にコップの数を減らしていき、いったい何個まで減らすことができるかを実験します。たった3個のコップで上に乗れたときは拍手が巻き起こりました!

シャボン玉:きっとみなさんも遊んだことがあるであろうシャボン玉。日本ではメジャーな遊びですが、ガーナの子供達が遊ぶ姿を私は見たことがありません。洗剤や砂糖を混ぜて作ったシャボン液を、ストローにつけて細かいシャボン玉を吹いてもらったり、針金を大きなリング状にして大きなシャボン玉を見てもらったりしました。

ペットボトルロケット:校庭に集合してもらい、ペットボトルロケットを飛ばしました。子供達に空気入れでロケットに空気を溜めてもらいます。空気がため終わったら準備完了。空気によって押し出された水の勢いで、ロケットが飛んでいきます!何十メートルも飛んでいくロケットに、子供達は歓喜の声を上げていました!

『第二部:実験教室』

あぶり出し:オレンジの汁を使って文字や絵を紙に描きます。液は半透明なので書いたものはよく見えません。しかし、紙を熱すると。。。不思議なことに書いたものが紙に浮かび上がってきます!文字が浮かび上がる様子に、見て目を丸くして驚いていました。

ペーパージャイロ:長細く折った紙の両端をテープで止め、筒状に整形します。それを紙飛行機のように投げると。。。まさかこれが飛ぶの!?というような形をしてますが、むしろ紙飛行機より飛びます!作成が終わったあとは、みんなで校庭に集まり、ペーパージャイロを飛ばして遊びました。無邪気に遊ぶ子供達に癒されました。

べっこう飴:物質の状態変化の話と絡めて、砂糖を水に溶かして簡単に作れるお菓子、べっこう飴を作りました。やはり子供達は甘いものに目がないようで、我先にと押し寄せる子供達に運営側は苦労しました。。。

クリップモーター:乾電池の両端にクリップを固定し、その中にこのような形状→「ーOー」に巻いたエナメル線を引っ掛け磁石を近づけると、真ん中の「O」の部分がモーターのようにクルクル回転します。回ったコイルを得意げに見せる子供達の顔は、達成感に満ちていました。

【キャラバンを振り返って】
まず、企画段階から不安視していた点として、5校の内2校は聾学校で(しかも最初に周った2校!)、声や音で伝えられない分、実験を楽しんでもらえるかという心配がありました。そのため、どうなるかの不安から始まる前は少し緊張していました。。しかし、現地を訪れると、生徒も先生も温かく私たちを迎え入れてくれ、緊張もほぐれリラックスして実験ができました。また、現地の先生方の手話や実験のサポートにより、スムーズに説明も作業も進み、子供達の笑みからも実験を楽しんでもらえたなと実感しました。

他の学校でも先生方の熱心なサポートのおかげもあり、子供達はみんな実験終了後、満足した表情を浮かべていました!
参加人数は、多い会場では500人!他の会場でも100~200人という多くの子供達に参加をしてもらえました。
目を輝かせて実験を食い入るように観る姿や、夢中になって工作や実験をする姿を目にし、今回のキャラバンで目標としていた「実験を通して科学への好奇心や探究心に繋げる」は、達成できたのではないかと感じました。

また、先生方の中には、実験後に原理についての質問や、実施方法の詳細を聞きに来る方もおり、実験を取り入れた科学の学習への先生方の関心を強く感じました。

座学中心の授業は知識を詰め込むだけになってしまい、科学への興味を沸かせることはなかなか難しいかと思います。対して、今回のように実験を通して科学に触れることからは、「なぜそうなるのだろう?」「こうしてみたらどうなるのだろう?」と自ら科学の不思議さについて考え、好奇心・探究心がくすぐられ、科学への興味が増していくことが期待できるのではないかと私は考えています。

今回のキャラバンで扱った、空気・力・液体・磁力などの実験は、私たちの身の回りにある科学の現象です。日常の中の様々な現象が、科学へ興味を持つきっかけとなれば良いなと考えるとともに、夏休みだけのイベントで終わらず、学校の授業でも継続的に実験を通して科学に触れることで、科学に対して興味を持つ機会が増えれば良いなと思いました。

最後に、上で紹介した実験に使われているものは、どれもガーナでも身近に手に入るものばかりです。
調べればすぐに詳細なやり方もわかると思います。
ぜひ、皆さんの周りの子供達を巻き込んで一緒に楽しんでみてください!!

長々とすみません。。。
最後まで読んでいただきありがとうございました!!