JICA海外協力隊の世界日記

朝5時から拡声器で象と人生について話を聞く日々

線をひいたら並ぶかな?

私の配属先はマンダレー少年訓練学校というミャンマーにおける言わば少年院のような存在です。

そこに定員200名(日本の1人2畳の計算だと定員は100名程度)のところに350名の18歳までの子どもが収容されています。職員はわずか20名ほどで対応しており、教育活動を充実させることが困難な状況にあります。

そこで、私は教育活動を充実させることを中心に行っています。

そんな彼らを「列に並ばせる」というのはすごく難しく、お国柄なのか列に並ぶということをまったくしない。

背景としては彼ら自身、学校に通った経験もわずかであるため、列に並ぶ習慣を学べなかったということもある。

それに、そもそも並んで待つという習慣がミャンマーにはほとんどない。

スーパーのレジなどで並んで待っていると、だいたい横入りしてきて、自分の用事を済まそうとすることがある。

そんなとき、最初のころは何も言い返せず、ただイライラしていただけでしたが、もう1年もミャンマーに住んでいると

「へい、ちゃのー あいんさうんねーでー。まぴゃっまうぃんばーねー(あのー、先に並んでたので、横入りしないでもらえませんか」

というと、「おーそーりー」とだいたい返ってくる。

習慣がないだけで、悪気はないのだ。

それに、そもそも我が先にと行わないと、物がなくなってしまう経験が多いからだと思う。

そこで、列に並ばせるために実践していることが2つあります。

1つ目は線を引いて、そこに並ばせる。

2つ目は並ぶまで待つ

というこの2つである。

まず、白線を引いてみた。

おー並ぶ、並ぶ。確かに並ぶ。

うーん、やっていて気持ちが良くなってきた。

そもそも、列に並ぶ習慣がないのは、並ばせる側にも問題があるとかんがえられる。

例えば、飴を配るために列に並んでもらうとしたときに、

日本人の場合は飴が50個あるから、50人までなら並べるようにしようと事前に物の数を数えて工夫をする。

しかし、ミャンマー人の場合は事前に数えたりせず、「今から飴を配ります」と言ってしまい、

多くの人が群がって、配る側ももらう側も疲れてしまうのである。

逆に日本人は50人以上が飴をもらいに来た場合は全く配らないということをすることがあるので、これも不思議なことです。

列に並ぶという文化は世界的には不思議なことなのかもしれません。

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