JICA海外協力隊の世界日記

音楽を楽しもう♪ 音楽でつながろう♪

活動終了~シニアボランティアの感想~

 もともと若い時に憧れたボランティアに、シニアの今になってからの挑戦でした。若いなら、若いから味わえる楽しさがあるだろうけれど、今回は自分ができることと仕事の要請内容がよく合っていたので、自分も若かったらこんなことできなかっただろうなと思いつつ、自分がこれまで日本でやってきたことを生かしながらいろいろなことをたくさんやらせていただくことができ、活動に満足感を感じつつ終えることができました。時々、若い人と同じように体が動かず、あーあ…と思うこともあったけれど、それでもシニアで来られたことを嬉しいと思えました。

 また、日本ではどこの学校にも整備されたピアノや静かに鑑賞できる教室があり、比較的よく研究された教育内容で自分が育ててもらっていたということが、こちらに来てからは世界では稀なことだったんだと気がつきました。

 写真の教室には窓がありません。暑いですから。風通しがいいですが、当然いろんな音が聞こえてきます。静寂の中で音楽鑑賞なんてことはできません。

 2枚目の写真の楽器は、よく見ると穴が開いています。

 硬くて動かないよーなんてこともよくありました。それでも子ども達は音楽を奏でようと練習していました。

 私が配属された『西洋音楽科』は、教育省の中でも歴史が浅く、選択する生徒が少なくて国内でまだまだ知名度が低く予算も少ない。そんな状況の中、私の同僚となった西洋音楽科担当者は、より良い教育の普及のために日本だったら何十人もの人でやるだろう仕事を1人で行っていました。いろいろな企画などを考えて準備をしても、結局諸事情からうまくいかなかったということも多かったけれど、その同僚と心置きなく一緒になって活動できたのは、ボランティアという立場だったからだと思います。予算も十分に取れず、ノウハウも少なく困っている現地の人に寄り添って活動できる草の根の活動は、実に意味あることだと思えました。

 私が関わった教育活動は、直接すぐに目に見えるものができる活動ではありませんが、私の先輩にあたる音楽隊員の方達に直接教えてもらったと嬉しそうに話すスリランカの先生方に何人も会えたし、その人達が残していった教材や方法を使って教えている人も何人も見かけました。ボランティア一人ひとりはそれぞれたった2年の活動でも、ちゃんと残ってつながっていくと思えました。先輩方のおかげで日本人ボランティアに対する信頼はとても高く、私は最初から活動がしやすかったのもありがたかったです。そして今、多くの子ども達がこれら先生方のもとで育っています。このように国境を越えた庶民と庶民の信頼関係ができていくことは、何年もかかることだけれど、とても大事なことだと思います。

 今後もこうした活動が末永く続き、お互いに「ありがとう」と思い合える人と人の交流が続くといいなぁと心から思います。

 2年間、いろいろありましたが自分なりに精一杯活動させていただき、とても楽しく過ごすことができました。

 これまで記事を読んでいただいた皆さま、ありがとうございました。

 今後もいろんな方の活動を応援していただけたら嬉しいです。

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