JICA海外協力隊の世界日記

菅原洋子のミャンマー滞在日記

ミャンマーの田舎

 先日シャン州の州都タウンジー市に行ってきました。タウンジー市は観光で有名なインレー湖の近くにあり、また11月の満月の日のタザウンダイン祭りでも有名なところです。タザウンダイン祭りには熱気球が一晩中上がって、その美しさを競うそうです。またその気球にランタンや花火をつけて飛ばし、その幻想的な風景に国内のみならず、海外からも多くの人が集まるそうです。

 私は11月下旬に病院のCBR(コミュニティ・ベイスド・リハビリテーション)の出張に行きました。CBRの話は次回にさせていただきたいと思います。今回は収穫期を迎えたこの時期のシャン州南部の田舎風景についてお話しします。

 タウンジー市から車で30-40分も行けば、ほとんどの丘陵地帯に畑が広がります。黄、深緑、白、黄緑、赤など、様々な色をした畑が連なり、この土地の豊かさを示しているようでした。黄色はゴマの花、白は白ニンジンの花、深い緑はキャベツ畑、黄緑色は小麦、赤は土の色です。小麦は今が収穫期であちこちに麦わらが干してあり、またキャベツとカリフラワーも収穫されていました。また畑の小道沿いにミツバチの箱がおいてあり、路上で売っている蜂蜜はゴマの花の蜜かしらと思い買ってみました。

 カクーという村に4000近い仏塔が建っている寺院がありました。2000年以上前にこのお寺は開かれたということで、各仏塔に寄贈者の名が記されていました。整然と並んだ仏塔は圧巻で、美しい彫刻が施された塔や、穏やかな仏の顔が刻み込まれた塔が印象的でした。周囲は畑ばかりの田舎ですが、この寺院のことはヤンゴンの友人に豚の神様のいるところと言ったらすぐにわかってくれました。ここには家畜の豚はいませんが、牛と鶏をよく見かけます。牛は食用でもあり、労働力でもあるそうです。

 田舎には竹の家、木の家、レンガの家、コンクリートの家があります。竹の家は大分少なくなってきているようで、同じ敷地内に古い竹の家とコンクリートの家が並んでいるところもありました。指導のために家庭訪問した家では、一階は作業所になっていて、収穫物を蓄えたり実を干したり、巻きたばこの葉を製造しているところもありました。

 どこの家にも庭に数十本の木がありました。今収穫期なのはアボカドのようで大きな木にたわわに実っていました。アボカドがどのようになっているかを想像したことがなかったので、これを見た時には驚きました。高さは家の3階くらいまであります。どこの家の土間にも大小のアボカドやカボチャが転がっていました。アボカドは子供のこぶしの倍ぐらいで、ちょうど熟したところで収穫するようです。食事の後にだされたアボカドはとろけるようでした。その他バナナ、ヒョウタン、コーヒーの木などが所狭しと並んでいました。コーヒーの実は半分くらいが赤くなってとても綺麗な実でした。

 若者は男女を問わずバイクで走っています。保健センターの近くで二人の少年がバイクに乗ってきたのでいくつか聞いてみたら12歳と13歳と言います。保健師さんに「農家は豊かだね」と聞いたら、即座に「いいえ、皆貧乏です」と言われました。土地の豊かさは生活の豊かさにはつながらないのでしょう。

SHARE

最新記事一覧

JICA海外協力隊サイト関連コンテンツ

  • 協力隊が挑む世界の課題

    隊員の現地での活動をご紹介します

  • JICA 海外協力隊の人とシゴト

    現地の活動・帰国後のキャリアをご紹介します

  • 世界へはばたけ!マンガで知る青年海外協力隊

    マンガで隊員の活動をご紹介します

TOPへ