JICA海外協力隊の世界日記

菅原洋子のミャンマー滞在日記

ヤンゴンの今

日本に帰った時ミャンマーについていろいろ質問を受けましたので、ヤンゴンの最近の変化をお伝えしたいと思います。
ミャンマーの正式名称はミャンマー連邦共和国で、ビルマ族が一番多く70%それ以外に140以上の民族があると言われています。ミャンマーの国は東はタイ、ラオスと接しており、北は中国、そして西はインド、バングラデシュに接しています。1885年にイギリスの植民地となってから現在のヤンゴンのダウンタウンが整備され、そこに植民地時代の歴史ある建物が多く建てられました。以前に紹介しましたセントマリーカセドラル教会、アウンサン将軍の暗殺された会議場、最高裁判所などは今でも健在です。因みにミャンマーの小学校では、国土の形をかけるように練習するのだそうです。
昨年スーチーさん率いるNLDが政権をとり、数年前から始まった民主化が加速したようです。私がミャンマーに着任したころは交通渋滞が激しく、所々で立体交差の陸橋建設が進んでいました。それを上回る勢いで自動車が増えているらしく、立体交差が完成した今でも渋滞は解消されていません。またヤンゴン市内の建築ラッシュも続いており、私が住んでいるところは空港に近い郊外なのですが、最近いくつかのビルが完成しました。また歩道も整備されて、車道から傾斜があって車いすでも大丈夫かと思えば、ど真ん中に電柱が建っていたり100メートルも行かないうちに途切れてしまったりと、バリアフリーには程遠い感じです。

最近ヤンゴン地域政府首相の指導でバス会社が統合され、路線とバスの番号が共有されネットで運行経路を見ることができるようになりました。これまではそれぞれのバス会社が勝手に路線を決めていたということです。停留所にはそこを通るバスの番号と行き先が示されたボードも建てられ、わかりやすくなりました(全部ミャンマー語です)。といっても信号待ちの間に乗ったり降りたりはできるので、私も信号待ちから動き始めたバスに飛び乗ったりできるようになりました。
鉄道の本数も増えたように思います。しかし、電車の速度は相変わらず時速30Kmぐらいですし、駅周辺では物売りが線路にはみ出して仕事をしており、電車の音でよけるという風景は変わりません。発展の度合いは日本の1960年代後半かとも思うのですが、電車とバスについてはその頃に追い付いていないようです。それに反して普及しているのがスマホです。お坊さんもスマホに見入っています。公衆電話は2014年ころまではよく見かけたと聞きますが、今はほとんど見かけません。それにもう一つ郵便ポストが塗り替えられました。タイから私宛の郵便物はアパートに届きましたので、住所登録してある家には届くようです。先日ミャンマーの記念切手付きの封筒を近くの郵便局で買いました。手紙は日本まで500チャット(日本円で約50円)なので、日本国内の郵便料金とほぼ同じです。
ヤンゴン市内には庭付き3階建ての一軒家が立ち並ぶ高級住宅街もあれば、線路沿いにはトタン屋根に板で囲いがしてあるだけの掘っ立て小屋も多く、その中間
層に5階建てのアパート群がダウンタウンなどには並んでいます。因みに私が住んでいるアパートも5階建てで、住民の多くは車を持っている中間層です。エレベーターがないのは不便ですが、キッチンと浴室、トイレはついています。市内には木々が鬱蒼とした空地もあちこちに見られ、まだまだ町の形は変化していくと思われます。

私は2015年11月からヤンゴンに滞在しています。2014年頃からヤンゴンに滞在している方のお話を伺うと、靴屋を探すのに苦労したと聞いたり、カバンはほとんど布製の肩掛けバッグだったと聞いたりします。現在は大きなショッピングモールに行けば、必ず靴屋があり革靴、ハイヒール、スポーツシューズのブランド店などが並んでいます。そして街を歩く女性も男性も今風なカバンを持っています。ビジネスシューズにビジネスバッグ、きりりと白いワイシャツ姿の青年をときどき見かけます。このようにヤンゴン市内のお店は急激に変化しているようです。
欧米や日本、韓国の食材を扱うショッピングモールも増えました。お菓子やインスタントラーメン、コーヒー紅茶、海外のワインは以前からありましたが、日本米や醤油、お好み焼き用ソース、純米酢、だしの素、ドレッシング、つゆの素なども見つけやすくなりました。味の素は近くの市場の小さなお店にもおいてありました。電化製品もスーパーマーケットで扱っており、歯磨き用品、石鹸、掃除用洗剤、化粧品なども日本製品が見つけられます。ヤンゴンの郊外に住んでいる私の生活実感では今年に入ってから便利になったと感じるのですが、私がここの生活に慣れたということもあるでしょうね。

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