5Sでゴー 薬剤師マラウイ奮闘日記

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砂田 幸江
(東京都)

ボランティア/職種
青年海外協力隊
薬剤師
派遣国
アフリカ
マラウイ リロングウェ県リロングウェ
一言メッセージ
マラウイの病院で現地の薬剤師やスタッフとともに日々マンクワラ(薬)の管理に奮闘中です。

 

1人でストライキだぁ!!(その2)

2017.08.29

活動

Injection Storeでの仕事はしない!とストライキを決めて出勤した私。昨日怒り狂ってこの宣言をしたことを知っている職員達が笑いながら興味津々で私の動向を見守る。といっても争い事を好まないマラウイの人々。一晩たって落ち着いて戦略を練った私は、もう怒っていないけど彼らの行動にがっかりして残念でしょうがないことを繰り返し伝えつつ、9時にいつもと違う外来患者用の調剤室に陣取り仕事を開始。手紙は部門の責任者に渡し、今日は業務する場所を変えることを伝え臨時で預かっていた鍵も返却した。

9時半にいつも一緒に行動する責任者の女性が出勤してきた。他のインターンは誰も来ない。いつも一緒に働いていたインターンからだけは風邪で休むと連絡があったが、残りの2人は? 彼女は(本当は彼らの勤務時間は7時半からですけど…)誰もいない状況の部屋に出勤することになった。他のスタッフが笑いながら!? 私は納得できないことがあって今日は調剤室に居ることを伝えている。さてどうなるか。

正直私にとってはとってもラッキー!内心ほくそ笑む。私は「私が居なくちゃこの薬局はダメ」などと勘違いしてはいけない。別に私が居なくても彼らは当然自分達だけで何でもできる。私はただのおまけのボランティアにすぎない。なので、もしストライキを決めたこの日にみんなが真面目に出勤してきていたら私の主張は理解されず、私はぽつんと1人不要な存在になりかねなかった… しか~し、この日みんながいつも通りの無責任ぶり!?を発揮してくれたおかげで、私のストライキの効果は劇的に向上することとなった。本当にラッキー(笑)まぁこの日にみんなが来るような状況ならそもそも私は切れなかったはずだが。

30分程経って10時になった。いい加減仕事を開始しないと今日の払出業務に支障が出る。彼女が私の居る調剤室にやってきた。「Sachi~ Let's start our job!」こういう時にはourになる(笑)。しかし今日はour jobじゃないのだ、your jobなのよ、私は一緒に働かないんだから。理由は手紙を読んでと伝える。すると彼女が一言「I need you, I am alone…」待っていましたその台詞! 私は尋ねる、今はインターンが3人いるはずなのになぜ1人ぼっちなの?彼らはなぜ居ないの? 分からないと答える彼女に私は伝えた。一緒に働く仲間なのに誰が出勤するか把握していない状況そして出勤しない理由を誰も説明しない状況に私は問題を感じていて改善するまでは一緒に働けないと。「ちゃんとみんなでディスカッションすると約束するから一緒に働いてと彼女。彼女はとてもフレンドリーで他の職員達からも慕われている。私たちの会話を興味津々で聞きながらも彼女のことが心配な同僚達。

ここで調剤室の責任者が一言「Sachi 本当に今日は彼女と一緒に働いてあげないの?」本当にNiceタイミングでのコメントZikomo(ありがとう)でした。私の答えは当然「もちろん今から戻ります!彼女と一緒に日常業務に取り掛かりますよ!!まったくもぅ」。周囲からは安心した空気が伝わってくる。

しかしドアの手前で振り返って追加の宣言「でも状況改善の要求はあきらめないんだから!!」大爆笑につつまれつつ彼女と一緒に部屋に戻り出遅れた仕事を片付けるべく1日もりもり働いた。

私のストライキは正味1時間で終了となった(笑)。そしてこの1時間の遅れは自分で取り戻す羽目になった( ゚Д゚)。やっぱりそうなるのね…

ストライキは金曜日。翌週にちゃんと話し合うと言われたが、今回の件で状況がすぐに改善されるとは思っていない。私の主張がマラウイの人々にどの程度通じるか分からない。でも働くべきときに好きに休んだり、理由があったとしても無断で休むことがおかしいと感じている職員がいることも間違いない。しかしマラウイの人々はお互いをそれを問題として議論することはない。争わないのは良いことだが問題の議論がされないことは状況の改善がされないということだ。今回の私の主張で少しは感じることがあった職員が1人でも居てくれたら良いとは思う。

しかし初の1人ストライキ!自分の主張は大声でしていろいろな人に聞いてもらうことができたし、我ながら見事な引き際で!? 誰も敵に回さず傷つけずに終了できたし、まずまず成功だったと言える(笑)

でも私が不満を持って他の部屋に滞在していることを知っているにも関わらず、一緒に仕事をしてと誘いに来てくれた責任者の彼女のおかげで、ストライキ終了のきっかけを逃さずに済んだのは間違いない。マラウイの人々は本当に空気を読んで相手の気持ちを察するのが上手である。必要な議論が足りないのは残念だが、争わない怒らない彼らの穏やかさは見習わなければならないことも多いと改めて実感した。1人ストライキで始まった1日だが、いつも通りランチは彼女とシマ(マラウイの主食)をシェアして一緒に食べ、夕方には一緒に帰路についた(^-^) しか~し!宣言した通り私は状況の改善をあきらめたわけではない。報告連絡相談は絶対に必要!薬剤師としても社会人としても責任を持って仕事をするのは当然です!!

後日談

状況を改善して欲しいなとは思っていたが、これ以上この話題を私から蒸し返すのは止めようと思っていた月曜日。なんと彼らのほうから全員そろって反省会の話し合いを提案してきてくれた。やっぱり無断は悪かったとそれぞれ不在の理由を教えてくれ、これからはちゃんと連携しなきゃいけないと。期待はできないと思い込んでいた私には本当にうれしい誤算だった。しかし話し合いの結果が英語で理解でいない私… 彼らは総出で何とか私は理解できる文章を作ろうと頑張ってくれたが、それでも理解できない~ 結局英語の能力不足を謝りまくり、私はみんなに慰められて幕が閉じるというオチになったが、これも私らしくて良かった(笑)。そしてこの1週間、全員が早退欠席することなく仕事に来た!本当にビックリ。

自分の主張が通るかどうかは分からないし、無理に通すことが正しいとも思わないが、どうせ行ってもムダだと決めつけて何も言わずに相手を評価するのは失礼で、何に関しても一度は自分の意見を伝える努力をしてから判断するべきだとつくづく感じた1週間でした。

しかしやっぱり私の同僚は愛すべき素敵な人々で、そんな彼らと日々働ける私は幸せです(^-^)。たまには(しょっちゅうかな…)イライラもしますけどね~