JICA海外協力隊の世界日記

Dive into Jamaica

ジャマイカ人と水泳とLord have mercy

みなさんこんにちは、

こちらでよく耳にするフレーズで「Lord have mercy」という言葉があります。直訳すると「主よ慈悲をお恵みください」というキリスト教に根付いた言い回しなのですが、ジャマイカで使うときは「勘弁してちょうだい」などの意味合いが強く感じます。(もちろん「神様助けてください」という意味での使い方もあります。)
例えば私は日常生活で変なおじさんお兄さんに絡まれることがあります。「お前は日本人だろ」や「日本車はいい車だ俺も乗ってる」など好意的な挨拶が多いのですが、日の高いうちからラム酒でいい気分になってるおじさんなんかは「日本人の女性を紹介してくれ」「金をくれ」といってくだを巻いてきます。そういう時に「Lord have mercy」を使ったりしています。現に同じシュチュエーションに会った地元の人間と同じタイミングで言ってしまったことがありました。
今回は、そのジャマイカ人から聞く「Lord have mercy」にまつわる話です。
ジャマイカの一番有名な大学である西インド諸島大学(University of West Indies)は私の所属しているDiscovery Bay Marine Labの元締めです。 このUWIのLife Science Departmentという部署の実験場という感じですね。
そこでは毎年三月に学部生にとって壁になる名物授業があります。
それは「Ecology Course」という調査実習なのですが内容は結構ハードです。
まず6人1チームで陸から300m離れた場所までボートで出航して、そこから40mくらいの間隔で方形枠を置き浅海域の生物の多様性と遷移を調査するという非常に実践的な授業です。私も非常に勉強になります。(ちなみに私も学部生の頃に似たような授業をとっていましたが、必修ではありませんでした。)
写真は出港前に行われるブリーフィングの様子です。

実際にこのような方形枠を置きそこに定着している生き物の被度やその上を通る魚の同定をしていきます。

プールで泳ぐ練習をしていたはずなのに、生徒によっては海に入った途端パニックになり私を浮き輪にしてしがみつき「Lord have mercy!」と連呼している生徒もいます。身長180cmオーバーの筋骨隆々なお兄さんが必死の形相でしがみついてくるのを必死になだめすかし、それでも時には沈まされるため何かの罰ゲームをやっているかのような感覚に襲われます。こちらもこの状態になると同じように「Lord have mercy」と言いたくなります。

勿論泳げる生徒は綺麗に泳ぎます。元々の筋肉があるのでフィンキックが非常に速く、足にモーターでもついてるんじゃないかってくらい早いです。ただ、9割がたの生徒は海で入るのが初めてだったりするので、リタイア者の曳行をしたり、同定の手助けなどが仕事です。
学部全体で受講するので3月の毎週土曜日はその付き合いで1日泳いでいます。正直なところ毎日泳ぎに行けるので楽しいですが、日曜日が疲労で動けなくなるのが辛いです。生徒も生徒で海と全く関係ないことを勉強したい(例えば森林学や遺伝学)生徒もこのクラスを受講しないといけないので、まさにお互いに「Lord have mercy」と独りごちてしまう土曜日でした。

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