JICA海外協力隊の世界日記

モロッコ便り★ハムドゥリッラー

ありがとうございました☆シュクラン

日本のみなさん、こんにちは。

早いもので、2年間の任期が終わろうとしています。

この2年間で、主に4つの活動に取り組みました。

1.母親学級の普及・定着・質の向上

着任時の2年前にはほとんど行われていなかった母親学級は、研修の実施や同僚との巡回により、現在統計上は県内の23か所(約66%)の保健センター(町の診療所のようなもの)で行われています。統計上とあえて言うのは、レポートが出ていても行っていないことがあるためです。少なくとも私が訪問した14施設(約40%)では行われるようになり、母親学級が保健センターで行う仕事として認識されるようになったことは良かったと感じています。やりがいを持って母親学級を行っている医療者、楽しそうに参加している妊婦さんや産婦さんを見ることは、私にとって何よりのモチベーションでした。

2.産前・産後健診の質の向上

着任時、保健センターによって健診の質の差が大きく(健診すべき項目をしていない、健診の記録をきちんととっていない など)、保健センター訪問時に健診用カルテの正しい使用方法の説明や健診内容の助言などを行いました。カルテの記入方法の改善がみられましたが、やり方を変えたくない、人手不足で手が回らないなどの難しさがあり、思ったようにはできませんでした。同僚が、私が帰国後に研修を実施することを考えてくれているので、彼女に期待しています。

3.5Sの導入

質コンクールという、モロッコで2年に1回行われている保健センターの仕事を評価するものがあります。それに向けた準備を手伝って欲しいとの要望があり、他任地の5S隊員の協力を得て、任地で研修を実施し、定期的に訪問をして準備をしました。本格的な5S始動とはいかず、あくまで5Sを利用した質コンクールへ向けた準備でしたが、5Sという言葉を知ってもらう、他の地域の様子を知ってもらう良い機会になりました。私が帰国してすぐに、同僚が県内の保健センター向けに研修をするそうなので、今後の継続を期待しています。

4.若年層への母子保健啓発活動

保健センターで出会う女性やその家族を見ていて、妊娠や出産についての基礎知識が乏しいことを感じていました。例えば、妊婦健診の初回受診が遅い、保健センターに夫のみが来て妊婦健診をして欲しいと言う(奥さんなしで妊婦健診ができると思っていたようです。奥さんが来てくれないと無理ですね…)。

私は、楽しみながら命の大切さを理解してもらうことで、自分も他人も大切に思えれば、妊娠や出産に対する行動の変化にもつながるのではと思い、5か所の学校(大学1校、中学4校)で授業をさせてもらいました。モロッコでは男女を分けがちですが、私は男女両方の生徒に参加してもらうことを大切にしました。嬉しいことに、学生さん達は興味深々に聞いてくれ、たくさん質問をしてくれました。感想に「母親は妊娠出産でとても大変な思いをしているから、助けないといけないと感じた」という感じで書いてくれている子もいました。学生さんとの関わりは、とても新鮮でやりがいのあるものでした。

この2年間を振り返ると、いつも活動はこれでいいのか?私は来た意味があるのか?ともやもや自問自答をして、自分の無力さに向き合って、決して楽しいことばかりではありませんでした。特に初めは言葉も話せなくて、初代だったのでボランティアが何かをまず理解してもらうところからでした。でも、ろくに言葉も話せない私を、モロッコ人はマルハバ(ようこそという意味)と受け入れてくれ、いつも助けてれ、それにとてもとても救われました。

家族はもちろん、友人も家族のように大切にしているモロッコ人の姿は、とても印象的でした。また、細かいことは気にしないモロッコ人のおおらかさに時にいらいらしつつ、でも何でも受け入れてくれるとことにとても安心感を覚えました。

いつもそばにモロッコ人がいてくれて、支えてもらった2年間でした。

ハムドゥリッラー☆

2年間はあっという間で、まだ帰る実感がもてませんが、たくさんの人に支えていただき、良い経験ができた貴重な2年間でした。

感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました^^

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