JICA海外協力隊の世界日記

心はいつも晴れ☀ in Uganda

最近、学校では...②

Mulenbe!(こんにちは)

ある日の出来事です。
バレーボールコートのそばに人だかりができているのを見かけました。「バレーの試合を観戦している雰囲気ではないし、どうしたのだろう」と、不思議に思って生徒たちの視線を追っていくと、そこに一頭の牛が。驚いたことに、お尻から二本の小さな足が飛び出していました。帰宅途中に偶然見かけた牛の出産に、思わず立ち止まって見入ってしまいました。牛の持ち主らしき人が、子牛の足を引っ張ったりお腹に手を入れたりして悪戦苦闘しています(写真)。何事かと思っていると、子牛の首が引っかかっていてなかなか産まれてこないということでした。あまりの難産に獣医さんが呼ばれ、処置が施されました。最後まで見守ることができなかったので後日話を聞くと、手術が行われたが残念ながら子牛は助からなかったということでした。

それから数日経った頃、バレーボールコートのそばでお腹に傷のある牛を発見しました。あの時の牛に違いありません。お腹の傷は痛々しかったですが、元気に草を食べる様子に安心し、ウガンダでは人も動物もたくましいなと感心してしまいました。

さて、今回はウガンダの授業料について紹介します。

ウガンダでは、学期ごとに授業料が徴収されます。授業料は学校に応じて違いますが、本校のような全寮制の学校の場合は、施設が整っている分授業料が高い傾向にあります。公立学校であっても、年間の授業料が給料の3~6ヶ月分に匹敵するような学校もあるほどです。そして、授業料が支払われていない場合(未納がある場合も含めて)、子どもを帰宅させて授業料を取りに行かせる学校が多いように思います。授業料が支払われるまで授業に参加できない、ということです。そのため、平日の日中に子どもたちが学校から帰ってくるのを見かけることは珍しいことではありません。本校でも同じようなシステムが取られており、授業のために学級へ向かうと半数近くの生徒がいない、何事かと聞いてみると「school fees(授業料)」と言われたことが何度もあります。

先日、本校では大規模な授業料の取り立てが行われました。臨時の全校集会が行われ、学年ごとに授業料が支払われていない生徒たちを順次帰宅させることになったのです。


ある学年の様子をのぞいてみると、学年全員の前で未納者生徒の名前が呼ばれていました。少額の未納者も含めて呼名された生徒は6~7割近くにのぼりました。全寮制である本校には、遠くから通っている生徒も少なくありませんが、「私物を持ち帰ってはいけないこと」「外出許可のサインをもらうこと」などの注意点を説明された後、そのまま準備をして帰りなさい、というような状態でした。学級によっては生徒が十数名しか残っていないところもあり、通常通りの授業を行うことはできませんでした。

ウガンダでは当然のように行われているシステムですが、日本と比べるとシビアだと言わざるを得ません。授業料が払えないために、転校したり退学したりする生徒もいます。学校側でも、授業料を踏み倒されないように「別れの挨拶(抱き合う、握手をするなど)をしているような生徒がいたら報告しなさい」と先生方の中で確認されるほどです。学校で学ぶというだけでもこの国では大変なことなのだ、と感じずにはいられません。

最後まで読んでいただきありがとうございました。
Wanyala naabi!(ありがとうございました)

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