興味は命の賜物(土棟隊員は帰国しました。)

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土棟 亜也子
(北海道)

ボランティア/職種
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派遣国
中東・欧州
エジプト、カイロ
一言メッセージ
成長も行動も、興味を味方に加速します。初めての街、初めての文化、初めての景色。関心深い出会いを綴っていきます。

 

イベントスペース

2018.03.13

文化

イベント、ワークショップ、展示会の企画や実施。

目を配ってみると、日々さまざまな試みがなされている。

何気なく通り過ぎる道端や広場、

ちょっとした道の中央分離帯や橋、

紙ベースのものもあればインターネット上のものもある。

ポスター、SNSのイベントページ、

イベント会場のホームページ、

ターゲットに焦点を絞った情報を纏めているブリッジサイト。

その種類はさまざまで、カイロを歩いていても、

その実情を肌で感じることはとても多い。

左上の写真は、ダウンタウンの程近くにある、

小さな空き地のような長方形の広場。

駐車場にすると、横並びに左右5台ずつ、

計10台が停められるかどうかくらいの空間。

その小さな空間がカラフルな装飾で埋められ、

脇にはスタイリッシュな透明の案内板。

立ち止まってみてみると、

それは、リサイクル作品の展示会場であった。

写真のカラフルな飾りは、

スーパーなどのビニール袋をアレンジしたもの。

奥には室内展示の空間もあり、

車の部品や鉄、漁業で使うようなネット、窓枠、新聞紙など、

さまざまなアイテムが斬新なアイデアでアレンジされ、

魚や椅子を型どったオブジェやブランコ、

ペインティングアートとして展示されていた。

本来の用途とは違うアレンジで再度命を吹き込まれた、

愛らしいアイテムの数々。

リサイクル手法の表現の豊かさが伺える。

左下は、これもダウンタウンの程近く、

小さな入り口が道の間から覗く広場。

その小さな入り口から中を覗いてみると、

驚くほどの大きな中庭のような四角い空間。

たまたま立ち寄ったその日は、丁度、

日本アニメキャラクターのイベントが開かれており、

写真は、着飾った子供や大人たちの姿が集う光景。

ドラゴンボール、ワンピース、るろうに剣心、デスノート、、、。

そのバリエーションや色使いには、

実写へのアイデアや感受性の豊かさを感じることができる。

同時に、日本のアニメが地元の人々に親しまれていることを

肌で感じる偶然でもあった。

このイベント会場、別の日に覗いてみると、

その日はなんと、黄色い看板で統一された、全く別の空間。

入り口には、「DEGITAL COMMAND CENTER IN RISEUP」

の看板が掲げられ、

コンピュータ、インターネット、携帯電話など、IT関連のブースが並ぶ。

ソーシャルメディアプラットフォームの団体と、

創造技術愛好家たちとのコラボレーションによる

デジタルコミュニティの試みのようだ。

同じ空間が、目的により大きく変化する。

空間活用のアイデアの豊かさを垣間みることができる。

右下の写真は、ダウンタウンの東側に位置する、

イスラム地区のシタデル(要塞)内、ムハンマド・アリモスク。

日中は観光地、夜は美しいライトアップ姿で丘の上に聳え立つ

美しいイスラム建築だ。

通常は観光時間が終わる夕方には門を閉めるが、

イベントなどで夜もシタデル内に入ることができるときがある。

間近で観るライトアップされたモスクは荘厳としていて美しく、

世界遺産地域の壮大さに、時の経過を忘れそうになる。

古いイスラム建築の建物がイベント会場になることは多いようで、

「SULTAN'S FAIR」というイベントが行われたのも

イスラム建築が立ち並ぶとある一角であった。

イスラム地区の東側、死者の町(北の墓地)にある、

カーイトゥベーイの墓とマスギド(イスラム教徒の礼拝所)周辺。

イベントでは、イスラム建築に欠かせない

幾何学模様の壁画や版画版が展示され、

中には、カリグラフィー(イスラム書道)が盛り込まれたものもあった。

幾何学模様の左右対称の構図や、

ねじれの関係のように見える線と曲線の芸術は

非常に妖艶で、いつ観てもうっとりしてしまう。

上のようなイベントの際、

さり気なく、でもほぼ毎回のように目にするコーナーがある。

ハンドメイドのクラフトアートを販売するコミュニティの人々だ。

アクセサリー、バック、キーホルダー、コースター。

その作品の数々は非常に愛らしく、

イスラムアートや伝統芸術の要素がさり気なく盛り込まれている。

クラフトアートのコミュニティにはNGOもあるようで、

イスラムアートの拡散に臨む人々の想いが見て取れる。

右上の写真は、縁あって参加したワークショップ。

イスラム地区にある、個人宅の中庭だ。

「地域の子供たちが集う場にしたい。」という想いをこめ、

イスラム建築や幾何学模様、辺の歴史地区の街並みを

より理解するためのワークショップなどを実施し続けているのだとか。

同中庭で、

Sebou Ceremony(誕生7日目のイベント)が行われたこともあった。

子供の誕生7日を祝って、家族や知人が集まりお祝いするのだ。

日本で言うなら、誕生1年の伝統的なお祝い、一升餅的な印象だ。

聞いた話では、子供へのお祝いの儀式として、

子供がすやすや眠っているなか、できるだけ大きな音をたてるのだとか。

同中庭が、地域に根付いた憩いの空間になっていることを強く感じた

人々の発信への想いは、方々で感じられる。

古くからの伝統を伝える場、

他国の文化を楽しむ場、

さまざまなコミュニティの情報共有空間。

イベント会場を見ていると、人々の想いが垣間見えて、非常に興味深い。

カイロには、オペラハウスがある。

ダウンタウンの程近く、アクセスの良いナイル川沿いに位置しており、

ムハンマド・アリモスク同様、夜は美しくライトアップされる。

もともとは1869年のスエズ運河開通式のときに、

ロイヤルオペラハウスとして杮落としがなされた劇場だそうで、

その歴史は古い。

室内会場としては、小ホール、大ホールがあり、

小ホールの前には、小ホールとほぼ同等程度の

こじんまりした野外ホールがある。

右上の写真は、ライトアップの中、野外ホールでの演奏光景だ。

1971年火災で全焼、1988年に今のオペラハウスになったそうで、

ナショナルカルチャーセンターとしての役割を果たしている。

その敷地は広々としており、音楽ホールの他、

練習室、ギャラリー、美術館、映画館など全て別棟、

噴水や、有名な歌手オムカルスーン(Umm Kulthum)の銅像があり、

散歩に立ち寄っても心地よい時間を過ごすことができる。

左上の写真は、なんとギャラリーの中。

ギャラリーの中でピアノとクラリネットの演奏がなされているところに、

偶然出くわし、魅入ったときの1枚だ。

絵画に囲まれた大きな空間で奏でられる音楽は一際だ。

農作業をしている人々、歌い、踊る人々。。。

色とりどりの絵画の中の人々が、

音楽に合わせて今にも 動き出しそうに見え、

非常に不思議で斬新な感覚を受けた。

普段美術館で耳にするバックミュージックとは全く異なる

音楽の新しい一面に触れたような気がした。

オペラハウス内の敷地以外にも、

ダウンタウンの程近く、系列のホールがある。

ゴモホレイヤシアターと、アラブミュージックインスティチュート。

私のお気に入りは、アラブミュージックインスティチュート。

イスラミック建築の幾何学模様と、マシュラベイヤという彫刻が

際立って美しい、伝統的なアラブミュージック一色のホールだ。

時おり、タレントディベロップメントセンターによるコンサート

というプログラムが開催されることがある。

足を伸ばしてみると、そこは、

文字通りこれからの音楽家の卵たちが演奏する場。

歌やピアノの発表会のような印象だ。

たどたどしかったり、恥ずかしげであったり、ぶっきらぼうであったり。

でもひたむきに演奏する人々の様子は、非常に微笑ましい。

月別に更新されるオペラハウスのスケジュールを見ていると、

カイロ以外のホールが載っている。

オペラハウス系列のホールのようで、

その会場は、アレキサンドリアとダマンホール。

左下の写真、アレキサンドリアのホールは1921年、

ダマンホールのホールは1975年にオープンしたようだ。

アレキサンドリアはアクセスもよく、

頻繁に音楽会が開催されることがしっくりくるものの、

ダマンホールは、

アレキサンドリアから70km、南東の郊外に位置する。

不思議に思って調べてみると、

ダマンホールは、非常に古い街で、

7世紀の頃には下エジプトの中心都市であったとのこと。

もともとはホームコンサートの場として人々に馴染み親しまれていた

ところから始まり、今に至るのだとか。

音楽会を開催する会場は、オペラハウス系列ばかりではない。

カイロ市内の大学構内、

カイロカルチャーウィールという文化センター

教会、イタリア文化研究所など、

グランドピアノのあるホールも多い。

右下の写真は、

伝統的な踊りであるタンノーラやベリーダンスとディナーを

一緒に楽しむことができる船の中。

ダンスのバックミュージックは、

伝統楽器によるアラブ音楽やポップスであることが多い。

音楽が人々の生活に深く根付いている実感と共に、

気軽に音楽に触れることができることを非常にありがたく感じる、

嬉しい発見の数々だ。

イベントスペースの実情に注目してみると、

地域に根付いているもの、今後に期待するもの、

さまざまな街の表情が見えてくる。

右上の写真は、NRIAGという研究所。

ダウンタウンから北東に位置し、

沙漠の中のような広大な土地のゆるい丘の上に

ぽつんと浮かび上がってくる。

天文学、地球物理学、環境科学に関する研究が行われているそうで、

地震の測定や予測データがあり、

古い時計や地震測定器なども保管されている。

左上の写真は、ラクダ市。

ダウンタウンの北西に位置し、

毎週のようにラクダのセリが行われるそうだ。

人を乗せるためのラクダ、

荷物を運ぶためのラクダ、

食肉として市場に送られるラクダ。

片足を縛られ、ボーっと立ちすくむラクダの姿を見ていると、

まぶたの厚い大きなたれ目は、

悲しみを物語っているようにも思えてくる。

左下の写真は、カイロプラチナムクラブというスポーツクラブ。

ダウンタウンから東側に位置し、2014年にオープン。

沙漠のような一本道沿いに突如として見えてくる。

入り口の程近くには、サッカーやテニスのコートがあり、

先般は、近代五種のワールドカップ大会が開催された。

少し距離はあるが、比較的近くに開発途中の新興住宅街が並んでおり、

都市開発を見込んでの建設のように思われた。

右下の写真は、

カイロフェスティバルシティモールというショッピングモール。

オープンは2013年。

ブランドショップが立ち並び、中庭には、

音楽に合わせて水量を変える噴水。

その周りはカフェやレストランで囲まれている。

その他、ダウンタウン近郊や郊外、ショッピングモールはあちこちにある。

郊外のショッピングモールでいうと、

東側には、

シティスターズ、ダウンタウンモール、モナリザモール。

南側には、

グランドモール。

西側には、

アラビアモール、カイロモール、エジプトモール。

エジプトモールのオープンは2017年だそうだ。

ダウンタウンを少し離れるとすぐに沙漠が見え隠れするカイロの街、

スポーツクラブやショッピングモールの建設、

人の集まることを見込んで建てるだろうことを想定すると、

まだまだカイロは広く大きく変わっていきそうだ。