JICA海外協力隊の世界日記

Madamadamadagascar!

2年間ありがとうございました。

3月27日に2年間の任務を終え、無事に日本に帰国いたしました。

2年目以降は、近所付き合いや友人とのつながりを通じて技術が普及していくという、ソーシャルラーニングを通じた技術普及を狙い、村単位で技術を普及していくための小規模なモデル農家の育成に力を入れてきました。具体的には、農民組合の組合長や、村長など、小さなコミュニティの代表者をモデル農家として選定し、彼らの田圃を利用して現地での研修を行いました。

JICAの技術協力プロジェクト「コメ生産向上・流域管理プロジェクト(PAPRiz)Ⅱ」では、認証種子を使うことを推奨していますが、農村部での購入は困難であり、且つ販売場所もあまり知られていませんでした。アンチラベ市内にある農業・畜産局 では、農業省が半額援助する形で 認証種子を販売していたので、モデル農家が近隣の希望者の分をまとめて購入し、手間賃・ガソリン代などを少し上乗せして販売するという方法をとりました。

活動地域のマナンドナ市に住むアルフォンスさんは、自宅にDVD機材を所有しており、稲作の時期の始める前に、農民組合のメンバーを招いて VCD 鑑賞会を開催しました。その際PAPRiz 技術を導入したいという農家の声は多かったのですが、肥料や種子等の初期投資にお金をかけられないという理由で、彼以外の農家は導入には至りませんでした。しかし、昨年は 8 袋だった収穫高が12 袋以上になったという報告を受け、彼の田圃の様子を実際に見た近隣農家から「2018 年には PAPRiz を導入したい」という要望が増えているそうです。

アンジャヌマヌラチャ市にて共同貯金の普及活動を精力的に行っている モニカさん(写真上)とは、彼女が担当している31 の共同貯金グループのうち、6 グループからそれぞれ代表者を選定し、PAPRiz Ⅱ技術の講習を行いました。来年以降は、それぞれのグループの代表者がメンバーに技術を教えていく仕組みです。モニカさんは2017年にPAPRizⅡ技術を取り入れたことをきっかけに、市公認の農業普及員となりました。「ゆいが帰国しても、私たちがPAPRiz技術を広めていく」と言ってくれたことがとても頼もしく、嬉しく感じられました。

アンバヌ市でHotely(一般食堂:写真下)を営むイアニィさんは、娘夫婦と二世帯でPAPRizⅡ技術を導入しました。地元の人が多く集まるHotely にて小冊子の配布をしてくれたり、Hotely の扉にPAPRiz 新聞を掲示してくれたりと、普及活動にも大変協力的です。

2年間の活動の中で、無報酬でも「地域のために貢献したい」という自律性欲求を持った農家と協働出来たことは、大きな励みとなりました。
これまで、一緒に活動してきたマダガスカル人は勿論、JICAマダガスカル事務所やプロジェクトの専門家の方々、ボランティアの仲間、日本の家族や友人など多くの方々に支えられながら最後まで活動できたことを大変有り難く感じています。
また、今まで私の世界日記をご覧頂いた皆様にも感謝を申し上げます。
本当に、ありがとうございました。

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