吉田考が見せたい中国

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吉田 考
(東京都)

ボランティア/職種
青年海外協力隊
日本語教育
派遣国
アジア
中華人民共和国
一言メッセージ
青年海外協力隊に参加した動機は『親日大国の中国との交流に寄与したい』です。みなさんの知らない中国について発信します。

 

学生が夢中になる教材を研究した半年

2018.02.13

人 文化 活動

みなさん、いかがお過ごしでしょうか。

今、中国は冬休みです。

中国に来て、2度目の冬休みです。

今年の冬は去年よりぐっと寒くなりました。

武漢は滅多に雪が降らない場所ですが、今年は雪がちらつきました。

学生のテンションが一気に上がって、早く授業を切り上げて外へ出たいモードになってしまい、もはや授業どころではなくなり、大変でした。

当の私はというと、寒いのが本当に苦手で、半分引きこもってしまっています。

そういうわけで今回の冬休みは少しでも温かい場所へと退避しようとしています。

さて、トップの写真ですが、私の教えている2年生の学生です。

彼女の前にあるものは、私が活動で作った白黒の絵カードに、彼女が彩色したものです。

他にも何人かの生徒が絵カードに色を塗ってくれたのですが、人によって着色の仕方が本当に違っていて、とても面白いです。

例えば彼女の場合、とても力強くはっきりと着色します。

彼女自身の力強さを感じます。

自分の意志がはっきりしているし、この生徒は非常に情が篤い性格だと感じます。

他方、同じ絵に着色するにしても、淡い色を好み、満遍なくサーと塗るタイプの生徒もいます。

その生徒は、バランス感覚がいいように思えます。どっぷり深入りするよりも、効率よくこなしていく器用さがあるタイプです。

ただ色を塗るだけではなく、落書きをする生徒もいます。

細かいとことで人の性格の片鱗を感じられます。

逆に言うと、絵は画力とは別の次元でその人自身が相手に伝わるということなのだと思います。

絵のいわゆる一般的な言語や論理だけがコミュニケーションではないという点が、とても面白いと感じされられます。

私はこれまで、自由すぎる我が生徒たちに、どうすれば勉強をしてもらえるか、いろいろ工夫してきました。

しかしふり返ると、絵を使った交流が私に合っているなーと度々思わされます。

例えば今回報告している絵カードですが、そもそもの発端は2017年9月から始まった新1年生の授業でした。

1年生の授業は週に1回2コマだけしか担当していないので、私自ら授業を進めていくのではなく、現地の先生の授業を補助するという形式をとらざるを得なくなりました。

しかし、その授業の進行速度が非常に遅いのです。

確かに、学習意欲は高くない生徒達なので、バリバリやっても仕方ないですが、2ヶ月かけて50音がまだ終わってないとなると、ちょっとかわいそうです。

それで、生徒達自身が自発的に学習できるように何かできないかと考えた結果作り出した教材が、今回の絵カードです。

最初はただのディクテーションだけで利用していましたが、次第に色々応用が効くことに気づき始めました。

例えば、単語を教えたあとで上記のように絵カードに色を塗らせれば、単語の印象が強く残ります。

それから、カードを覚えるとき、机に7枚程度のカードを並べて『これは何ですか』と順々に問えばミニクイズを通して交流が生まれます。

『さっき覚えたのに、何だっけ?』なんて反応も共有しながら楽しい交流ができます。

それを隣で見ている勉強嫌いな生徒も『何度も言ってるじゃん。○○だよ』なんてツッコミも入れて来ます。

ある程度覚えさせられたら、お互いにクイズを出し合わせたりもできます。

それから2枚ずつ印刷しておいて神経衰弱をさせたりしました。

ただ神経衰弱を楽しませても意味がないので、生徒がめくったカードに対して、教師の私が『それは○○です。それは□□です。違います。』などと単語名を逐一聞こえるように読み上げるようにしました。

そして最も紹介したいのは『カルタ』です。

カルタ』は今のところ一番学習効果が高いです。

音に対する反応の速さが勝負の決め手となるので、聞きとり能力に効果があるように感じます。

競うように学生たちが取り合うので、生徒たち自身が自発的に学習するきっかけに成り得るのではないかと期待を感じています。

文法を使った授業でも応用できることもあります。

例えば『(場所)に(無生物)があります/(場所)に(生物)がいます』の文法を教えたとき、生徒を2グループに分け、片方のグループにカードを隠させて、もう片方に探させるタスクを行いました。

その際、上記の文法を使い分けて発言させるようにしたのです。

みんな授業であることを忘れて、縦横無尽に動き回ってカードを探し発話してくれました。

私の配属先の学校がとりわけ自由過ぎるという事もあるのですが、中国では楽しみながら学習させるというアクティブワークは勉強っぽくなくて、まだまだ学習形式として根付いていません。

そういう形式を踏襲して、日本語教育隊員は海外で授業している方が多いのですが、私はなかなか不器用で、今回は数少ない成功例の一つとなりました。

この小さい成功を希望に、今後も生徒達にとって、思い出に残り、効果のある物を残していけるように頑張りたいなーと想っています。