JICA海外協力隊の世界日記

吉田考が見せたい中国

中国はフルーツ天国 

最近パイナップルにハマっている。

パイナップルなんて、日本で買ったことないのではないかと思う。

いやあった、缶詰だ。

輪切りにされたパイナップルがシロップの蜜に漬けてあるものだ。

昔、母がごく稀に買って、朝食に出してくれていた。

パイナップルよりも蜜を飲む方が楽しみだったような気がする。

日本のスーパーにもパイナップルは普通に売っている。

ただ手を出したことがないだけだ。

というかあれを買って、みんなどうやって食べているのだろうか。

包丁で捌くのだろうか、或いはスーパーで加工してくれるのだろうか。

今更ながら疑問である。

中国に来て、興味本位で買ったパイナップル。

小さい物なら2個で15元(240円くらい)、大きい物は1個で10元(160円)。

中国の果物では高い方だと思う。

買うとその場で、皮を剥いてくれる。

おじさんは中華包丁を使って表面のゴツゴツした皮を手際よく剥いていく。

剥き終わると、黄色い実とでかい毛穴のようなものが周期的に配置された、ちょっとおぞましい感じの表面になる。

その毛穴らしきものは、恐らくパイナップ専用である工具を使って根こそぎ削られるのである。

すると、美しい表面模様をもつ食欲そそるあのパイナップルに変わる。

そして最後は実をビニール袋に直に入れて、中華包丁でぶっとい蔕を力強く刈って作業終了となる。

中国と言えば果物である。

路上に止められたトラックの荷台に季節ものの果物がどっさり山積みされていて、『500グラム××元』とマジックで雑に書かれて売られている。

実はこのような路上販売は禁止行為らしい。

しかし、そこに商機があれば、やってしまう中国人の行動力、私は見ていて結構爽快だ。

もちろん自分のテリトリーにされたら嫌だが、傍から見ていると逞しさを感じる。

配属先に赴任してから色々な果物が路上販売されるのを見てきた。

12月前後はリンゴだった。

中国では富士リンゴが出回っている。

日本と比べると信じられないくらい安い。

たぶん1個当たりで1.5元(24円)くらいなのだが、蜜たっぷりで超甘い。

どうしてこんなに甘くて美味しいんだろうか。

少し前の時期では棗やオレンジが売られていた。

それも美味しかった。

あぁ、なんて豊かなんだろう。

中国の大地は圧倒的に雄大だということだろうか。

中国は広大な国土を持ち、食べ物の流通は非常にいいらしく、全国各地の果物がその時期に食べられる。

今私が虜になっているパイナップルは海南島や広東省などから出回っていると思われる。

また棗と言えば新疆ウイグル自治区、そこは果物の産地としてかなり有名である。

棗なんて実物は中国に来るまで見たこともなかったと思う。

漫画や芸能人に『夏目さん』とか『夏芽ちゃん』とかいう名前の人がいるが、何だか素敵な響きの名前という印象の方が強い。

私は中国に来るまで果物は敬遠してきた。

どうしてあまり手を出さないかというと、果物は食べると手や口がベタベタになってしまうからだ。

そして食べるまで時間を要するのが面倒だ。

子どものときからそうだ。

父や母が剥いてくれた果物を「食べろ」と言うのをまともに聞かず、「一人二切れは食べなさい」などと言われていた。

大人になった今もなお、大差ない感覚だ。

果物は結構美味い、正直採れたものをそのまま食べてこんなに美味いなんて奇跡だと思う。

でも食べるのが面倒なのだ。

しかしパイナップルは違う。

おじさんが剥いてくれるから。

他の果物は中国人なら皮ごと食べてしまう。

私は、それには抵抗がある。

初めてパイナップルを買ったとき、大胆に齧り付いてみた。

そのとき知ったのだが、パイナップルの汁は唇につくと少しひりひりする。

だから次から食べるときは輪切りにして食べるようにした。

故に輪切りにするとき素手でパイナップルをちょっと触らなくてはいけない。

そのとき少しベタッとなるのはあれだけど、本当においしいのだから目をつぶる。

さすがフルーツ天国、中国。

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