JICA海外協力隊の世界日記

吉田考が見せたい中国

春節を乗り切る ②市場の肉と野菜

これは中国の野菜市場の肉屋の写真である。

この店は豚肉専門店で、切り分けた部位を金属のフックにつるしている。

買い手が調理方法をいうと、適切な部位を切って量り売りしてくれる。

(チャオ)()(炒める用)500グラムを購入。

それから(ロウ)(モウ)(ひき肉)500グラムを購入した。

中華と言えば炒め物、そして中国の春節と言えば餃子なのでこのチョイス。

因みに中国では骨付き肉の方が、価値が高いそうである。

食べてるときにテンションがあがるそうな。

買うときは骨の重さも加算されるので、個人的には不満があるが、料理が上手い人なら、骨も出汁をとっちゃうのかもしれない。

中国の市場は朝から夕方までずっと開いている。

でも朝行った方が新鮮な食材が手に入るのは確かなのだが、私のようなずぼらな人間にとってはありがたい。

ここは野菜エリア。

中国の野菜の名前は日本と少し違う。

例えば白菜と言えば、(ユエン)白菜(バイツァイ)(キャベツ)、大白菜(ダーバイツァイ)(ハクサイ)、小白菜(シャオバイツァイ)(チンゲン菜)があるので、ピンと来ないらしく『どれ?』という感じで首を尋ねられる。

また人参(レンツァン)と言うと、漢方の朝鮮人参の事を意味する。

それゆえ普通の人参は、胡萝卜(フルォボー)のことになる。

萝卜(ルォボー)とは大根の事である。

つまり中国人にとっては、人参は大根の一種になるようなのである。

結局野菜はこれだけ揃えた。

全部で18元(このとき360円くらい)。

中国では食材の基本単位は500グラムである。

市場だろうと、スーパーだろうと量り売りが基本。

今の日本では、肉屋で量り売りする店があるくらいで、ほとんどパック詰めされたものを買うようになっているが、かつて日本のスーパーでも色々量り売りされていたように記憶している。

中国では肉や野菜はもちろんだが、果物も量り売りである。

というか大きさ、重さが違えば単価が異なるのは当然だろう。(一番おいしい大きさという概念もあるかもしれないが)

ただ秤の前が混むし、秤に乗せたもの勝ちなので、気弱な私にとってはちょっと苦労を感じることもある。

でもこの量り売り、私は結構気に入っている。

何故なら私はかなりの小市民だからだ。

まず量り売りであれば、欲しい分だけ採ってグラム単位で買えるのは安心できる。

初めて買う食材なら、『えっ?』ってくらいの少量で試したいのだ。

それから値段も端数は切り捨てたり、商品をちょっと追加して切りがよく請求してくれたりするからだ。

この中国の鷹揚さと、私のケチっぷりがいい感じにかみ合っていて、安心感がある。

更に中国の場合、スーパーのお菓子も1個単位のものを袋に詰めて量り売りして売っているのが面白い。(もちろんパッケージで売られているのもあるが)

あと飲食店のおかずも量り売りだ。

しかもおかずの種類によらず、タッパーに詰めて合計何グラムかで支払う。

中国では文化的な側面から様々なところが鷹揚、大らかである。

日本で言う大らかさは、気を使って広く構えるのと近い意味に捉えられることもある。

中国では単純に根っから大らかなのである。

これは本当にありがたい。

逆に日本人は文化的に細かい気配りをする傾向にある。

この細かさが必要なこともあるが、ただその細かさは几帳面になりがちで、息苦しさを感じることもある。

どちらかが適切というわけではないが、考え方が違うのは明らかだ。

もし日本の論理で、中国人の考え方を規定しようとすれば、その背景にある気持ちや決めつけや思い込みで捉えてしまうことも多いのではないだろうか。

というか細かく見れば、友達同士でも、誰が何をどう考えているのかは千差万別だ。

とはいえ、私もまだ中国人の深いところを理解できるまでは至っていない。

今の私にとって中国は本当に大らかで、日本で生きるより精神的に余裕が持てる環境なのである。

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