JICA海外協力隊の世界日記

ジブチ便り

長距離バスの乗り方

今日はディキルに住んでいる隊員に長距離バスについて書いてもらいました。

みなさんこんにちは。

私はジブチの地方都市ディキルで隊員として活動しています。100㎞以上離れたディキルから首都への移動は長距離バスです。長距離バスは日本のスクールバスを改造したものがほとんどで、車体に日本語が残ったままの車もよく見かけます。

日本と違い、出発時刻は目安で、座席が埋まらないと出発しません。逆に乗りたい人が多いと座席数とは関係なく乗せます。(朝の渋谷駅前の都営バス(都01、RH01など)に似ている??)

イスラム教の国であるジブチでは、乗る時間帯によっては途中でお祈りの時間が入ったり、カットと呼ばれるほとんどのジブチ人が食べている葉っぱを買うために何か所も停車したり、と色々なことが起こります。もちろん、タイヤのパンクやエンジントラブルで停まることも珍しくありません。

初めて長距離バスを利用したとき、カットの買い回り・エンジントラブルでの途中停車・お祈り休憩に加え、バスが上り坂でエンストし後退しだすというハプニングにも見舞われました。

最近の出来事では、バスが道端のガソリンを売っているところに停車したときのこと、給油が終わり出発してしばらくすると車内がざわつき、何故かバスがすぐに引き返しました。なんと、バスの停車中に降りた乗客の一人がレストランに入りコーヒーを飲んでいたようで、バス出発の呼びかけにも気づかず乗り遅れたのでした。出発後に乗客が足りないことに気づいてバスは迎えに戻った訳です。車掌さんが呼びに行くと何事もなかったかのようにコーヒー片手に乗り込んできました。さすがにびっくりです。

しばらく走ると、道の途中で女性がバスに寄ってきて運転手さんに何かを預けました。何だろうと思っていると隣に座っていた女性が「誰かのお昼ご飯を受け取ったのよ」と説明してくれました。なんと長距離バスがお弁当デリバリーサービスを兼ねていたのです!!

お届け先は道路沿いにある学校の学生さんでした。歩けば遠い道のり、お昼を食べに家に帰るのも、家族が歩いて持っていくのもなかなか難しい。車を持っている人も少ない地方ではこうやってみんなが助け合って生活している訳です。

乗るたびに色々な経験をする長距離バス。クーラーのない車内で夏場は本当に暑くて大変ですが、人の温かさもたくさん感じることができる場所でもあります。



ディキルは5州(アリ・サビエ州、ディキル州、タジョラ州、オボック州、アルタ州)のうちの一つで、ディキル州を管轄するのがディキル県庁(prefecture)です。ディキル市と呼んでいますが市役所がある訳ではなく県庁が対応しています。州内には郡庁(Sous-Prefecture)が幾つかあります。県知事、郡知事は管轄内の代表で中央政府から派遣された役人です。そのほか各省庁の出先機関などがあります。州内には州議会があり州議会議員がいます。他の州も同様のようです。

ちなみにジブチ市には、県知事と市長がいます。ジブチ市は3つ地区(Commune)に分けれており、Ras-Dika、Boulaos、Balballaにはそれぞれ地区議会があります。ジブチ市全体のジブチ議会とジブチ市役所もあります。

何となく分かり難く間違っているかもしれないので、詳しくは地方分権担当省のHPほかで調べてみてくださいね。 Collectivités territoriales – Ministère délégué chargé de la décentralisation (gouv.dj) 

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