JICA海外協力隊の世界日記

マラウイ便り

小さな幸せの見つけ方

名 前:青山りな
隊 次:2023年3次隊
職 種:理学療法士
配属先:クイーンエリザベス中央病院
出身地:東京都

私は理学療法士としてBlantyre(ブランタイア)にあるクイーンエリザベス中央病院に派遣され、主に患者業務、同僚や学生への知識移転を行っています。マラウイに赴任し半年が過ぎましたが、まだまだ日々新たな発見や衝撃を受けることがあります。
ボランティアレポートの執筆機会を頂き、今回はこの半年間で特に考えさせられたことを執筆しようと思います。
 日本からマラウイに赴任し、まず疑問に思ったことは「世界最貧国の1つの国と言われているが、ここマラウイで生活している人たちは幸せなのか。」ということです。外を歩いていると物乞いの子供、support me と金銭や食べ物を要求してくる人が非常に多いです。洋服は決してキレイとは言えないし靴を履いていない人もいます。赴任直後はその光景に何度も驚き、ショックさえ感じたことを今でも鮮明に覚えています。しかしマラウィアンを見ていると、笑顔の人や陽気に歌ったり踊ったりしている人を良く見かけます。もちろん中には1日を生きるのに必死な人もいると思いますが、大半の人は日々幸せそうに過ごしている様子でした。

生活は決して裕福とは言えないのになぜそんなに幸せそうなのかいつも疑問に思います。
彼らは日々の生活でいつも助け合い、困っている人がいたら周囲を巻き込んで解決しようと動いてくれます。それもとても自然に、助け合うことが当たり前かのように人が集まってきて力を貸してくれます。文明の利器が発展していないからこそ、彼らは人と人との繋がりを大切にし、持っている知識を集めて解決に導こうとしているのかもしれません。
道に迷っていたら声をかけてくれたり、カリブーと言ってご飯を一緒に食べたり、通りすがりに挨拶をしてくれたり。(もちろん声をかけてあわよくばお金をもらえるかもと思っている人もいます。) 異文化交流をしながら日々マラウイで生活できているのは、間違いなく彼らが手を差し伸べてくれるからだと思います。
誰かと一緒にご飯を食べる、友達と他愛もない話で笑い合える。私はマラウィアンのフレンドリーさのおかげで今日まで些細な幸せをたくさん見つけることが出来ています。
同じ環境で生活を送り、様々な人との関わりを通して、物が限られているからこそマラウィアンは小さな幸せを見つけるのが上手なのだと実感しました。

赴任当初、協力隊員は途上国で何か助けをする1人として活動しないといけないと思っていました。しかし、こんなにも目の前にある当たり前の幸せに気付かせてくれたマラウイに、「助け」ではなく「恩返し」をしたいと思うようになりました。私1人の力は微弱ですし、何も還元できず2年間を終えるかもしれません。それでも現地の人と小さな幸せを見つけながら残りの任期を過ごしたいと思います。

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