2025/07/11 Fri
親愛なるマラウイの子どもたちへ


名 前:渡邉 美月
隊 次:2024年度1次隊
職 種:青少年活動
配属先:国連人口基金 マラウイ事務所
出身地:山形県
マラウイの道を行く子供たち。お母さんに優しく抱っこされ、チテンジというマラウイ伝統の布やふわふわのブランケットにくるまれて、背中で安心したかのようにすやすや眠る赤ちゃん。広いメイズ畑で元気に遊んでいる小学生くらいの子供たち。外国人の私を不思議そうにじっと見つめる赤ちゃん。「ハーイ!」と元気に挨拶してくれる子供たち。家に帰れば同じ敷地に住む子供たちによる元気なお出迎え。活動で現場に行けば「アズングー!(マラウイの現地語・チェワ語で外国人の意) How are you!!!」と興奮する子供たち。街中どこに行っても子供、子供、子供。この国はたくさんの子供で溢れている。
あるデータによると、マラウイの人口は2024年時点で2,100万人を超え、ここ20年間でほぼ倍増しているそう。18歳以下の若者の割合は、なんと人口の半分以上を占めると言われている。マラウイの平均年齢は17.8歳で、アフリカで最も若い人口を抱えていると言われる。人口ピラミッドの観点で見れば、日本は少子高齢化の影響で壺型のピラミッドが特徴的だが、マラウイはかつての日本が経験したような綺麗なピラミッド型を形成している。この特徴を考えれば、街中で子供をたくさん見かける状況も容易に理解できる。
そんな元気いっぱいな子供たちに溢れた国、マラウイ。今日は、この国で今を生きる子供たちに向けて、一人のアズングから手紙を贈ろうと思う。
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親愛なるマラウイの子供たちへ
今日はマラウイで暮らす一人のアズングが、希望に満ちたみなさんに、心を込めて手紙を書きます。この手紙にはみなさんに伝えたい大切なことがたくさん詰まっています。今はまだ全部は分からなくても、みなさんが大きくなった時にもしこの手紙を思い出してくれたら、私はとても嬉しいです。
私がマラウイのあちこちでみなさんに会うたび、私の心はポカポカと温かくなります。道で元気に歩いているみなさん。お母さんに優しく抱っこされて、チテンジやふわふわの布にくるまって気持ちよさそうに眠っている赤ちゃんたち。広いメイズ畑で楽しそうに遊んでいる小学生くらいのみなさん。
ときどき外国人の私をじーっと不思議そうに見つめる赤ちゃんもいれば、「ハーイ!」と元気にご挨拶してくれる子どももいます。家に帰れば同じ庭に住むみんなが笑顔で迎えてくれて、仕事で色々な場所に行くと「アズングー! 元気ー!?」って、わくわくしながら声をかけてくれる。町を歩けばどこに行っても本当にたくさんの子供たちでいっぱいです。みなさんを見ていると、この国が本当に子供たちの元気と笑顔に溢れた場所だと感じます。
マラウイはみなさんのように若い人たちが、国の人口の半分以上を占める、とっても若い国です。みなさんはこの国の未来を作るためのかけがえのない宝物です。
これはとあるアズングからお願いです。みなさんが「アフリカの温かい心(Warm Heart of Africa)」と呼ばれるこの国に生まれたことを、どうか誇りに思ってください。みなさんの心には、困っている人にそっと優しさを差し伸べたり、自分の持っている大切な食べ物を分け与えたりできる心からの優しさがあります。それは世界中の誰にでもできることじゃない特別な力です。みなさん一人一人が特別な存在です。みなさんの持つその温かい心、生まれ持った優しさをこれからもどうか大切にしてください。
そして、誰かを助けるのと同時に、誰かに助けてもらうことは決して当たり前ではない、ということを知っていますか? それは他の誰かがみなさんを助けたいという優しい気持ちを持ってくれて、初めてしてもらえることです。そのことをどうか忘れずに、助けてくれる人たちへの感謝の気持ちと温かい心をどうか忘れないでください。
みなさんがマラウイで生きているこの時代は、時に苦しさを感じることもあるかもしれません。大人になったら仕事が見つかりにくいとか、ちょっと「辛いなあ」と思うことも、もしかしたらあるかもしれません。でもどうか、すぐに「もうダメだ!」と諦めないでください。
みなさんには数えきれないくらいの可能性があります。みなさんには将来の夢がありますか? 兵士、看護師、警察官、先生。世の中にはたくさんの仕事がありますね。今、みなさんの中に持っている将来の夢を、絶対に諦めないでください。その夢は、みなさんが諦めない限り、いつかみなさんのことを明るい未来へと導いてくれます。みなさんが自分の夢を諦めてしまったら、その夢は終わってしまいます。みなさんがみなさんの夢を、みなさんの可能性を諦めなければ、みなさんの夢は叶うと私は信じています。みなさんが夢に向かって頑張っているとき、時には諦めたくなるような壁にぶつかることもあるかもしれません。しかし、そんな中でも「自分には無理だ」なんて、絶対に自分の可能性を諦めないでください。
学校や家の周りでたくさんのことを学んで、思いっきり遊んで、そして夢を追いかける中で、みなさんがそれぞれの得意なことを見つけて、希望に満ちた未来を自分で作っていくことを、心から願っています。
私はいつもみなさんのことを応援しています。
マラウイで暮らすとあるアズングより
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