2026/08/30 Sun
保健師 分科会
ニカラグアの住民と共に考える「健康とは?」

Hola!みなさんこんにちは!
ニカラグアのエル・ロサリオ市にある保健センターで保健師として活動している2025年1次隊の田口睦希です。
エル・ロサリオ市は首都のマナグアから50キロほど南部にある、人口8,600人ほどの小さな市です。市にはスーパーマーケットも銀行・ATMもありません。水や電気が通っていない地域もあります。この市には約80年もの歴史がありますが、日本人が住むのは初めてのことです。そんなエル・ロサリオ市にとっても、私にとっても初めてづくしの生活について紹介します。

私が活動する保健センターには毎日たくさんの患者さんがやってきます。保健センターといっても日本でいう、診療所・歯科医院・検査機関・訪問診療・保健センター・保健所(一部)の機能を持っています。市には医療機関がこの保健センターしかありません。そのため、生まれて間もない赤ちゃんから90代の高齢者までたくさんの人が訪れる場所です。
また、ニカラグアでは医療が無料で提供されています。診察や薬の処方が無料であり、ワクチン接種などは看護師が家々を回り実施しています。一方で学童期~青年期における身体測定や、健康診断という仕組みがありません。そのため医療が受け身になっており、子どもから大人まで自分の体の状況を知る機会が少なく、住民自らが健康行動をとることが難しい状況にありました。
そこで私は「住民が自分の体をもっと知る」ということを最初の目標に掲げ、保健センター内に保健指導コーナーを設け、来所者の身体計測・血圧測定、簡単な保健指導を開始しました。実施してみると意外にも多くの方が興味を持ってくれ、作成した記録用紙も継続して使用してくれています。
また、学校や地域のコミュニティにおいては健康教育を実施しています。日本でいう保健室の先生がいない学校現場において、「健康とは何か?」をわかりやすく、かつ子どもたちのこれからの人生に少しでも長く寄り添っていけるような情報を伝えていきたいと思い、活動しています。年代に応じた啓発資材を作ること、文化や生活状況を考慮したうえでの内容を作成することの難しさに日々試行錯誤しながら奮闘しています。

私は保健師として対象者に関わる上で大切にしていることがあります。それは対象者に対して、「いつもあなたのことを心配しています。だから何かあったらいつでも相談してくださいね。一緒に考えましょう。」と声をかけることです。これは私が保健師になりたての頃、保健師の先輩に教えてもらったことです。保健師は実際に医療行為を行うことは少なく、声掛けや関わりで支援をしていきます。例えば、生活習慣病予防のための保健指導で考えると、体重を減らさなければいけない人にとって生活習慣を変えたり、その習慣を維持することは難しいことです。また、人によっては毎日服薬することが難しいこともあります。そんな方々に寄り添い、少しでも元気に生活できるような関わり方を心がけています。
国内外関わらず、宗教や地域での言い伝え、個人の考え方などが影響し、「予防の大切さ」を伝えるのが難しいときもあります。そんな時にはこの言葉を思い出し、その人らしく生きることを支えていきたいと思っています。
私が住み、活動をしているこのエル・ロサリオ市はとても小さい街です。生活をする中で患者さんや健康教育を実施した子どもたちに会う機会がとても多いです。「この日本人は何をしているんだろう?」という少しのきっかけから住民の健康意識の向上につながることを願い、残された期間を大切に過ごしていきたいです。
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