2026/01/30 Fri
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バヌアツ便り~女性局隊員のエピ島出張記~

帰宅した瞬間、身体がひどく重くなり、”疲れた”とひとりごとをこぼす気力もないほどに出し切った私の初めての離島出張。(そして数日後に熱まで出す)
首都とは違う離島での生活は慣れないことが多かったものの、総じて楽しく、学びが多く、素敵な出会いに溢れた時間でした。
私は現在、女性局の州事務所とNGOの2ヶ所で女性の経済的自立や権利擁護に関わる活動をしています。今回は女性局配属の隊員として、エピ島で行われた啓発活動に同行しました。
エピ島は首都のあるエファテ島から飛行機で約40分のところにあり、エファテ島を含むシェファ州の北端に位置します。今回は東部のVarsuというエリアで、舟や車で移動しながら5つの村・地域を回りました。どの村でも、首飾りをくれたり大きい皿いっぱいに食事を用意してくれたり、お土産にパイナップルやマンゴー、ピーナッツをもらったりととても温かく歓迎してくれました。
メインである「女性の権利の啓発と女性局の活動について」に加えて、私が新たに企画した「小規模ビジネスと金融リテラシーの実態調査」も実施しました。インタビュー形式の調査を通して感じたことは、私のビスラマ語の拙さと、離島で事業を行うことの難しさ。ビスラマ語は引き続き修行していくとして…、離島のビジネスは想像以上に多くの障壁がありました。発注した物資が届かない、島に唯一の銀行へ行くのに移動費がとても高い(そのためそもそも口座を持っていない人も多い)など。その他、インフラ、交通、通信の不備、時間のかかる行政手続き、市場の小ささ、さらに気候変動や自然災害の脅威など、住民がまさに今直面している課題を直接伺う貴重な機会になりました。この結果はデータとしてまとめ、今後のトレーニングやワークショップ、啓発活動に活かしていきます。
さらに、いくつかの村で「GBV(Gender-Based Violence)防止を啓発する参加型アクティビティ」も実施。国際ボランティアデーの企画として何かやってみる?と言われ発案したこのアクティビティは、非暴力と助け合いのメッセージを込めてみんなで手形のアートを作るもの。改善点をいっぱい見つけつつも、皆さん楽しそうに参加してくれたのでとても充実した活動になりました。
週末はエピ島の自然を満喫。湖で獲った魚を海で洗い、浜辺におこした火で豪快に焼く。満天の星空、水平線に沈む夕陽。地球って綺麗だ〜
そんな豊かな自然の恩恵を受ける一方で、エピ島の人々は常にサイクロン、地震、火山、海面上昇といった自然からの脅威にさらされています。エピ島の暮らしには、それらも含めた「自然」と共生し、豊かに暮らしていく住民の知恵が溢れています。AIも教えてくれない、何年も積み重ねた経験に裏付けられた知恵。1週間の出張でしたが、現地の人々と過ごす中でこうした知恵や生きる強さに何度も触れることができました。たくさんのことを教えてもらった今回のエピ島出張。疲れさえも現場を知るための大切な経験だったのかもしれません。ここで得た学びを首都ポートビラに持ち帰り、これからの活動に活かしていきたいと思います。

吉井明穂(2024年3次隊/コミュニティ開発)
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