2016/07/20 Wed
人 文化 活動 生活
≪活動まとめ 最終章≫ 国際協力 ~Kooperasaun Internasional~
最後の投稿です。
2年間、青年海外協力隊として東ティモールで活動をさせて頂いて、考えや価値観が大きく変わりました。
実際に途上国と呼ばれている国に行ってみて痛感したことは、
「一体何が途上なのか?」ということでした。
私よりも年下の、しかも学校に行けなかった10代後半の彼らと話していて、
「僕には夢があるんです。いつかちゃんと仕事に就いて、お父さんやお母さんを楽させたい。兄弟も多いから、学校にも行かせてあげたい。だから今、大変だけど頑張って勉強しているんです。」
そんな具体的な確固とした話を、高校・大学時代に話したことがあったかな・・・と思い返してみると、バカ騒ぎをしていただけだったような気がしました。
初めての彼らの印象は、
「想像していた、貧しくて悲しそうな顔をしている人たちと全然違う」
ということでした。
“笑顔”と“夢”に溢れている、エネルギッシュな人たちだな、と感じました。
同僚や研修生たちは、私を快く迎え入れてくれました。
(いろんな衝突もあったけれど・・・笑)
そんな彼らのために、少しでも彼らの“夢”が近くなるように、がむしゃらに突っ走った2年間でした。
(本当に突っ走りすぎて、ぶっ倒れましたが・・・笑)
120%、やれることは全てやった!と、手ごたえをつかんで帰国。
達成感に溢れていました。
そんな時に、訃報が届きました。
同僚が一人、腎臓疾患で亡くなったという知らせでした。
まだ、25歳。去年も2人目を出産したばかりでした。
2年の活動の中で、よく体調を壊して休んでいた彼女。
私の一時帰国や、彼女の産休なども重なって、ほとんど指導をしていなかった彼女。
帰国前には既に思わしくない状態で入院していましたが、フライト直前の朝、最後のお見舞いに行きました。
いつもの笑顔を出す元気もなく、やせ細った彼女は、それでも、実家に頼んで私のためにタイスを織ってもらっていました。
「お見舞いに来てもらえる時間がないかも、って思ったけど、一応準備しておいたんだよ。」と、カバンの中からゴソゴソと取り出してくれたタイス。
2人でボロボロ泣いて、今度は子供に会わせてね、と約束をして、病室を後にしました。
充実感と達成感を感じながら、飛行機に乗ったことを思い出しながら、なんて無力なんだろうとか、なんでもっと彼女に時間を割いてあげなかったんだろうとか、後悔の気持ちでいっぱいになりました。
毎年、しっかりとした健康診断があれば。
自分の体の違和感に気付ける、基礎的な病気の知識がもっとあれば。
手術や薬物療法に、田舎の親御さんが同意してくれれば。
なんて、今更ですが後悔しました。
「国際協力を2年間してきました~。手ごたえもありました。」
と、感じていた思いに違和感を感じました。
「国際協力って一体何だったんだろう?」
と、その時から頭の中がリセットされた気分です。
私がやっていたことは、とってもちっぽけなことだったんだな、と思います。
国際協力って、自己満足で終わらせちゃいけないんだな、と。
自分がやっていることは、国や世界全体で見るととても小さなことで、やっぱりまだまだたくさんの問題が残っているということ。
だからこそ、まだこれからもこういう仕事を続けていきたい、と。
たくさんのことを、最後に教わりました。
トレーナーは私を含めて4人。
私と彼女がいなくなって、今2人になりました。
職場は今、悲しむ間もなく、たくさんの仕事が残されたトレーナーたちを待っています。
それでも、彼らはチャレンジする、と明るく言っています。
残された2人が、もう昔みたいにケンカしないで手を取り合って頑張っていくから、心配しないでアベも頑張ってね、とメッセージをしてきてくれました。
だから、私もこの2年間の活動と、彼らとの思い出を胸に刻んで、悔やんでいる暇があれば前に進んでいかなければいけない、と思っています。
今までの彼らのたくさんの笑顔と、あの悲しみを絶対に忘れずに、これからも小さなことから少しずつやっていきたいと思います。
私を家族のように愛してくれた東ティモールの人たちに、きっと素晴らしい未来が待っていますように。
それでは、また会う日まで!ありがとうございました!
Ate ita hasoru malu! Obrigadu wain!!!
SHARE