JICA海外協力隊の世界日記

野菜と人を育てる。

≪活動まとめ 最終章≫ 国際協力 ~Kooperasaun Internasional~

最後の投稿です。

2年間、青年海外協力隊として東ティモールで活動をさせて頂いて、考えや価値観が大きく変わりました。

実際に途上国と呼ばれている国に行ってみて痛感したことは、

「一体何が途上なのか?」ということでした。

私よりも年下の、しかも学校に行けなかった10代後半の彼らと話していて、

「僕には夢があるんです。いつかちゃんと仕事に就いて、お父さんやお母さんを楽させたい。兄弟も多いから、学校にも行かせてあげたい。だから今、大変だけど頑張って勉強しているんです。」

そんな具体的な確固とした話を、高校・大学時代に話したことがあったかな・・・と思い返してみると、バカ騒ぎをしていただけだったような気がしました。

初めての彼らの印象は、

「想像していた、貧しくて悲しそうな顔をしている人たちと全然違う」

ということでした。

“笑顔”と“夢”に溢れている、エネルギッシュな人たちだな、と感じました。

同僚や研修生たちは、私を快く迎え入れてくれました。

(いろんな衝突もあったけれど・・・笑)

そんな彼らのために、少しでも彼らの“夢”が近くなるように、がむしゃらに突っ走った2年間でした。

(本当に突っ走りすぎて、ぶっ倒れましたが・・・笑)

120%、やれることは全てやった!と、手ごたえをつかんで帰国。

達成感に溢れていました。

そんな時に、訃報が届きました。

同僚が一人、腎臓疾患で亡くなったという知らせでした。

まだ、25歳。去年も2人目を出産したばかりでした。

2年の活動の中で、よく体調を壊して休んでいた彼女。

私の一時帰国や、彼女の産休なども重なって、ほとんど指導をしていなかった彼女。

帰国前には既に思わしくない状態で入院していましたが、フライト直前の朝、最後のお見舞いに行きました。

いつもの笑顔を出す元気もなく、やせ細った彼女は、それでも、実家に頼んで私のためにタイスを織ってもらっていました。

「お見舞いに来てもらえる時間がないかも、って思ったけど、一応準備しておいたんだよ。」と、カバンの中からゴソゴソと取り出してくれたタイス。

2人でボロボロ泣いて、今度は子供に会わせてね、と約束をして、病室を後にしました。

充実感と達成感を感じながら、飛行機に乗ったことを思い出しながら、なんて無力なんだろうとか、なんでもっと彼女に時間を割いてあげなかったんだろうとか、後悔の気持ちでいっぱいになりました。

毎年、しっかりとした健康診断があれば。

自分の体の違和感に気付ける、基礎的な病気の知識がもっとあれば。

手術や薬物療法に、田舎の親御さんが同意してくれれば。

なんて、今更ですが後悔しました。

「国際協力を2年間してきました~。手ごたえもありました。」

と、感じていた思いに違和感を感じました。

「国際協力って一体何だったんだろう?」

と、その時から頭の中がリセットされた気分です。

私がやっていたことは、とってもちっぽけなことだったんだな、と思います。

国際協力って、自己満足で終わらせちゃいけないんだな、と。

自分がやっていることは、国や世界全体で見るととても小さなことで、やっぱりまだまだたくさんの問題が残っているということ。

だからこそ、まだこれからもこういう仕事を続けていきたい、と。

たくさんのことを、最後に教わりました。

トレーナーは私を含めて4人。

私と彼女がいなくなって、今2人になりました。

職場は今、悲しむ間もなく、たくさんの仕事が残されたトレーナーたちを待っています。

それでも、彼らはチャレンジする、と明るく言っています。

残された2人が、もう昔みたいにケンカしないで手を取り合って頑張っていくから、心配しないでアベも頑張ってね、とメッセージをしてきてくれました。

だから、私もこの2年間の活動と、彼らとの思い出を胸に刻んで、悔やんでいる暇があれば前に進んでいかなければいけない、と思っています。

今までの彼らのたくさんの笑顔と、あの悲しみを絶対に忘れずに、これからも小さなことから少しずつやっていきたいと思います。

私を家族のように愛してくれた東ティモールの人たちに、きっと素晴らしい未来が待っていますように。

それでは、また会う日まで!ありがとうございました!

Ate ita hasoru malu! Obrigadu wain!!!

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