2019/03/22 Fri
文化 活動
28.火事発生!避難所としてのCDC。
こんにちは。遠藤浩之です。
今回はCDC(地域開発センター)の役割の1つをご紹介します。
昨年のことですが,私が活動するCDCカルティエ3の地区で火事が発生しました。
お昼過ぎのシエスタ(お昼寝)の時間帯のことだったようです。
私が午後の活動でCDCに行くと,すでにCDCはたくさんの人で慌ただしい様子に。
同僚に話を聞くとカルティエ3の地区で火事が発生し,14世帯の家が焼失してしまったとのこと。
その14世帯がCDCにしばらく避難生活を送ることになったというのです。私が行ったときにはすでに鎮火していました。
CDCセンター局の職員や赤十字社も駆けつけ,様々な支援物資が運搬されてきました。
私も物資の運搬の手伝いを行いました。
水,油,小麦粉,米,ベッドマット,毛布などが支給されました。
地域住民が利用する日本でいう公民館のような役割も果たしているCDC。
避難所としても重要な役割を果たしていることを実感しました。
保険などの仕組みはいまいち分かりませんでしたが,数週間後には新しい家を建築してもらい避難民たちは各家庭に戻っていきました。
(数週間でできる家なので決して立派な家ではないとは思います…。)
しかし,家を失っても泣き崩れたり,ひどく悲しんだりしている様子はあまり見られなかったように思います。
イスラム教の影響もあるのかもしれません。
ここジブチではほとんどの人がイスラム教信仰者です。
「すべては神(アッラー)が決めること」といった風潮があります。
仕事が見つかるかどうかも,仕事で昇任するかどうかも,ケガや病気をするのも,すべては神が決めることだから自分がどうこうできることではないといった感じです。
衝撃的なことに,以前こんなこともありました。
日本語教室の生徒(大人の男性)が前の週に授業を欠席していたので,理由をたずねたときのことです。
話を聞くと,前の週は病院にいたとのこと。よくよく聞いてみると,奥さんとの間に生まれた2番目の赤ん坊が,生まれて間もなくで亡くなられてしまったとのこと。
生まれつきの病気や体力がなかったことから2日間ほどの命だったようです。
衝撃でした。
しかし,それでもその男性は「神のみぞ知る」「神が決めたことだから」とすでに前を向いて,生きていました。
ケータイの中の上の子の写真をそのあと見せてくました。
なんとも心に突き刺さる体験でした。
正直私は「神が決めたことだから」とすぐには納得できないこともあるのでは?と思ってしまいました。
それでもいつかは前を向いて生きていかなければならない。
命・災害・宗教・文化などいろんなことを考えさせられた出来事でした。
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