JICA海外協力隊の世界日記

古田賢二のネパール大好き日記

活動報告書

私たちJICAボランティアは、定期的に報告書を提出しています。2年間の任期中には報告書を5報作成します。赴任後3か月に第1号報告書、6か月後に第2号、12か月後に第3号、18か月後に第4号、そして、最後に赴任24か月を目途に第5号報告書を提出します。先週、ちょうど第4号報告書を提出したところです。

今回は、私の第4号報告書の一部をご覧いただこうと思います。第4号報告書の意義は、「これまでの進捗状況を確認するとともに、活動の終了に向けての展望を行う」とされています。

写真は、職場でプレゼンテーションに使用したパーワポイントのタイトルです。

◆報告書要約…省略

◆項目1. 活動の進捗状況

(1)大幅な活動の制限

震災の被害に加えて、9月末から続くインド国境封鎖による原料や燃料不足、JICA事務所の移動制限などにより、ボランティアの地方出張を伴う活動は大きく制約された。唯一出張が認められた「ヘトウダ周辺の飼料工場の調査」を実施した。以下…省略

(2)カビ毒の分析結果

東部地域及び飼料工場の調査で収集したサンプルについて、蛍光検出器(JICA携行機材により導入)を接続したHPLCを用いて、おそらくネパールで初めてAFの高感度分析を実施した。東部地域のトウモロコシからは検出されなかったが、飼料工場の原料トウモロコシ及び製品飼料から非常に高濃度のAFが検出された(最高値652.7ppb)。以下…省略

HPLC(高速液体クロマトグラフという分析機器)

AF(アフラトキシンという強い発癌性を持つカビ毒)

写真は、サンプルからアフラトキシンを抽出する工程です。

◆項目2. 課題解決に向けた取組み・進捗・結果

(1)困難になったカビ毒の汚染実態調査

カビ毒の調査事業について、当初は各地域から各種サンプルを収集するなど広範囲な汚染実態調査を計画していた。しかし、大震災以降出張地域が大幅に制限され、品種、栽培履歴、保存方法等を識別することが可能なフィールド調査の実施が困難になった。このため、計画を大幅に変更し、調査するカビ毒の種類を増やすことにした。以下…省略

◆項目3.活動事例の紹介 成功例・失敗例…省略

◆項目4. 受入国の人々の変化(活動のインパクト)

(1)…省略

(2)AF分析技術の成果発表

AF分析技術の開発に続いて、先に収集したサンプルの分析を行った。限られた種類のサンプルにも関わらず非常に高濃度のAFを検出するなど成果が得られ、継続調査を必要とする多くの問題が明らかとなった。このため、当該業務の重要性をアピールするため、四半期毎に開催される当所の業務報告会において、「HPLC法によるAF分析技術の開発と食品・飼料の分析」のプレゼンテーションを実施した。発表は好評であり、当所の年報に掲載する科学レポートの執筆を依頼された。

◆項目5. その他特記事項…省略

◆JICAへの要望・提案…省略

いかがでしたでしょうか。

なお、原則として報告書は一般公開されています。東京市ヶ谷にあるJICA本部の図書館において、JICAボランティアの報告書の閲覧や複写ができます。ご興味のある方はお試しください。

写真は、HPLC法により検出されたアフラトキシンのクロマグラムです。

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