2016/07/20 Wed
活動
活動拠点の引っ越し等
活動1で海岸沿いにある水産局の養殖施設について報告しましたが、この海沿いの養殖施設は漁船や、離島間を行き来する定期船の船着き場に隣接しており、外的要因による施設内への侵害が前々から問題となっていました。従って早急に解決すべき優先課題の一つとして、シャコ貝、高瀬貝、夜光貝等の海産養殖を除く、淡水養殖施設の移転問題があげられていました。又これとは別に空港近くのタガベ地区に新しい淡水養魚施設(Hatchery Center)が日本政府による草の根の援助資金で2014年2月に建設されていました。この施設の一部はサイクロン”パム“で破壊されていましたが、その補修も終わり、施設内の執務室にはインターネットの開設も可能となったため、2016年6月初旬より筆者を含めた養殖部のスタッフの多くはここに活動の拠点を移し、テラピアとオニテナガエビの養殖実験に専任することとなりました。写真1は施設内部で産まれた直後のテラピア幼魚の飼育の様子を撮影したものです。このように、水を流しながら爆気して空気を送っています。
勿論このタガベ地区にあるHatchery Centerは淡水生物の養殖施設であるため、私の主たる活動目的であるオニテナガエビの養殖もなされています(写真2:内部のコンクリートタンク内の成オニテナガエビ)。ただこの施設は海から少し離れた空港近くにあるため、湧水による淡水は十分利用できるが海水が使えないという欠点を有しています。オニテナガエビの初期段階の飼育には甘い海水(汽水)が不可欠であるので、海沿いの水産局の養殖用タンクで育てた稚エビ(ポストラービ:PL14)をタガベの施設に持ち込み、ここで大きく育てる試みをしています(天然のオニテナガエビは稚エビ以降は川に上り淡水で生活する)。
このタカベHatchery Centerで7月8日に開設2周年目の記念セレモニーが行われました。このセレモニーは農業大臣等臨席下で10:00-12:00に予定されていましたが、例の通りのバヌアツタイムで12:30頃に始まりました。因みにこのセレモニーを迎える3-4日前は、設営、池作り、施設整備等のため大変な忙しさでした。写真3はその池にテラピア稚魚を放養するデモンストレーションをしているスナップです。
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