2015/03/21 Sat
人 文化
ブータンがひとつになった日
「まあ仕方ないか」「うん、ブータンだもんね」
これはブータンで暮らす日本人の中でよくある会話。山々に囲まれて長い間国交を閉ざしてきたブータンでは、のんびりした国民性も手伝ってか「努力する」「あきらめない」「根性」という言葉があまり通用しません。そんなのんびりしているところがこの国のよさでもありますが、そんなところに落胆することが多いのも事実です。
でも、この日のブータンは違いました。
2018年ロシアW杯アジア一次予選、スリランカ戦。FIFAランキング174位のスリランカに対して、ブータンは最下位の209位。
先のアウェイ戦に1‐0で勝利したことが報じられ、国民の期待は最高潮に。16:00のキックオフに合わせて、官公庁や学校では「早めに帰って応援に行ってよい」というお触れが出たほどで、収容人数25,000人のチャンリミタン競技場は早々に埋まり、グラウンドの端の方まで満員状態。首都の人口は約10万人と言われていますから、その数は相当なものです。
そして結果は、1対1で迎えた後半45分、劇的な追加点でブータンの勝利!
勝利の余韻の冷めやらぬブータンですが、こんなふうに、スポーツを通して未来が拓くことがあるのだと人々が知ったという点で、勝ち負け以上に大きな意味のある一日だったと思います。
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