JICA海外協力隊の世界日記

キリバス marurung(元気)日記

サイクロンMonaの影響

みなさん、Mauri te ririki ae boou!

Mauri te ririki ae boou はキリバス語での新年の挨拶です。 改めまして、中山です。 先日、南太平洋でサイクロンMonaが猛威を振るいました。 フィジーや近くの国々は影響があったのではないでしょうか? キリバス・タラワはフィジーよりだいぶ北に位置していますが、やっぱり影響はありました。 まるでスコールのような大雨暴風が12月31日くらいから1月3日ぐらいまで続きました。 確かに今は雨季ですが、約1年前に私たちが赴任した時期もここまでの大雨はありませんでした。 むしろ、近年雨季と乾季がごちゃ混ぜになっている状態でした。 大雨は多くの場所で被害を生み出しました。 私の配属先のクリニックは周囲を水溜まりに囲まれて孤島の中の孤島と化しました。 キリバスには山も川もありません。 なので土砂崩れ、川の氾濫等はありませんが、水はけが悪い所では大人の膝丈ぐらいまでの水たまりができました。 Topの写真は某ホテルの中庭なのですが、それが池と化し、魚が泳いでいました。 井戸には雨水が流れ込み、井戸の水位が1メートル以上上がっていました。 もちろん水は混濁しています。 波もとても高く、海岸沿いの道は波によって打ち上げられた砂やいろんなものが堆積。 暴風により多くの木も折れていました。 また、天候が悪いとインターネット環境も悪くなります。 12月31日は午前中いっぱいネットも電話も繋がりませんでした。

キリバス首都、南タラワの最高海抜は3メートルです。 検索エンジンで「キリバス」と検索した時に、「沈む国」と書かれた記事が多く存在します。 キリバスに赴任してから「沈む国」という印象は全くありませんでした。 しかし今回の大雨を受けて「気候変動の最前線の国」と改めて認識しました。 でもキリバス人は今回の大雨を話題にはするものの、そこまでの緊急性は感じられず、いつも通りの穏やかな、ゆっくりとした時間が流れていました。 孤島の中の孤島と化したクリニックにも、大雨の中、患者さんは来ました。 そもそもサイクロンの影響を受けても、断水にはならないし、電気がなくてもなんら問題はないし、家族もすぐ近くに住んでいるから安否確認もすぐにできる。 今回のサイクロンの影響で困ったり、頭を悩ませたのは外国人だけかもしれません (もちろん飛行機も止まっていたので、その影響はあったと思いますが…苦笑) 。「災害に強いとはどういうことなのだろう」と他国の同期の言葉を思い出します。

最後に 今回の様な大雨はキリバスでは数年に1回しかないとのことでした。 そもそも赤道直下なのでサイクロンは基本的には通らないし、プレートの上に島があるので日本の様に地震もないし、火山もないし、他国の津波の影響もそこまでない。 自然災害が起こりにくい国なので、今日もゆっくりキリバスタイムが流れております。

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