JICA海外協力隊の世界日記

モロッコより〜ミントティーとまったり日記〜

モロッコの難聴学級って?

私は今、公立小学校に併設されている難聴学級で活動しています。

95万人の町の人口に対して、公立の難聴学級は1つだけ。 「ほかにも耳の聞こえない子どもたちはいるだろうに…!」 と思いましたが、モロッコでは、小・中学校にある難聴学級のほかに、「アソシエーション」という、日本でいうNPO団体がたくさんあります。

そこで学習支援や職業訓練などして、難聴児への支援をカバーしているようです。 学校によってもアソシエーションによっても、体制や質にかなりの差があるのが課題です。

私は1年間難聴学級で活動してきましたが、次年度はアソシエーションでも活動を行いたいと考えています。

私の活動先の難聴学級は8人。 7〜16歳で男の子の方が多いです。

補聴器をつけなくてもある程度聞こえる子、補聴器や人工内耳をつけている子、全く聞こえない子など、軽度から重度の難聴児が通っています。

先生はこの道18年のベテラン。 ただ、来年度で定年退職。次の担任への研修が急務で、それが私の次年度の目標の一つです。

授業はアラビア語、算数を中心に、実生活にいかせる内容を教えています。アラビア語では読み・書きと発音に力を入れ、健聴者の社会でもコミュニケーションがとれるように。算数は、買い物などで困らないように。 就職先としては、理容や裁縫などが多いようです。

私は図工や体育、そしてアラビア語と算数の学習支援を行なっています。

手話の役割や重要性とか、健聴者と働くために必要な力とか、この子たちを見ているといつも考えさられます。

日本ではゆっくりと考えることができなかったことが、今じっくりと考えられています。 日本だと、見つけたい答えは本を探したり同僚に聞いたりできます。

しかし、ここでは疑問に対する答えがすぐには見つからない。 このまま答えは出ないかもしれないし、私の見立てが合っているかもわかりません。 でも、私はこの自分で考えて意見を持つ体験ができていることを、とてもありがたく思っています。

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