JICA海外協力隊の世界日記

太陽と海と雨の島

Education Week その2

 Education Week も残すところあと2日となりました。今日はポンペイ島の市街地であるコロニア地区で表彰式を行いました。

 19世紀に始まったスペインによる実効支配の時から、ポンペイ島の行政と経済の中心地区であったコロニアには、スペイン、ドイツ、日本の3ヶ国による統治の痕跡が至る所に残っています。写真にある石垣はスパニッシュウォールと呼ばれており、かつて統治政策に反対したポンペイの人々による武装蜂起があり、その後、行政施設を守るためにスペイン当局によって築かれてものです。本日の表彰式はこのスパニッシュウォールのすぐ隣にある体育館で行われました。

 式典の流れとしては前回に参加した時と同様に、子供たちや先生方の表彰式があり、その合間に先生たちの歌や踊りで式典を盛り上げる様子はほぼ同じでしたが、今日の式典では子供たちの副賞として、この地区の行政機関から大量のリュックサックの提供があり、1人に1つずつ渡されていました。驚きだったのは、表彰された子供たち全員の分はなく、後半の10数名の子供たちは副賞を受け取ることができなかったことです。更に驚きだったことは、そのことに対して受け取るほうも、提供するほうも全く動揺する様子がなく、「無いものは無い」ということで誰一人不平不満を漏らすことなく、坦々と表彰式が行われていることでした。

 もし同じことが日本で起きてしまったらどうでしょう。日本の学校で同じ状況を経験する勇気はとてもありません。

 ポンペイの人々はとても明るく穏やかで平和的です。食べ物に限らずなんでもみんなで分けあって、協力しながら生活する様子をよく見かけます。日本では常に100%の完璧を求められ、些細な落ち度でも必要以上に謝罪や反省を強いられる空気を感じることがありました。ポンペイの人々のように「無いなら無いでしょうがないよね」というこのおおらかな姿勢は、我々が少し見習ったほうがいいのではと感じるところでした。

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