2019/02/25 Mon
文化
発掘調査


2月23日にポンペイ島からボートで15分ほどで行けるレンゲル島で、発掘調査のお手伝いをさせていただきました。かつてミクロネシアで青年海外協力隊の考古学隊員として活躍され、現在もミクロネシアの考古学の研究をされつつ、伝統文化の継承に向けて活動されているNPO法人パシフィカ・ルネサンス代表理事の長岡拓也博士と、東海大学海洋学部海洋文明学科の小野林太郎准教授と大学生の皆さんのご指導のもと、初めて発掘調査を経験させていただきました。このプロジェクトは「オセアニアの人類移住と島嶼間ネットワークに関わる考古学的研究」というタイトルで科学研究費「国際共同研究加速基金」によって行われているとのことです。


掘り出された土の中から、約二千年前にポンペイの人々が暮らしていた痕跡を探し出すことは、とても夢のある作業でるとともに、根気と集中力を要する作業でもありました。私は掘り出された土をふるいにかけた後、その中から、石、貝殻、土器、鉄などに分類する作業のお手伝いをしました。初めは全てが泥にしか見えなかったものが、大学生の皆さんにやさしく丁寧に指導していただいたおかげで、しばらくするとなんとか石と土器の見分けがつくようにまでなりました。


ポンペイ島では約二千年前に多くの人々が海岸沿いで暮らしていたと考えられています。しかし現在その場所のほとんどはマングローブで覆われてしまっているために発掘することが非常に難しく、調査がほとんど進んでいないそうです。長岡博士の長年の研究から、数千年前に人々が暮らした痕跡があり、かつ発掘可能な地点を特定し、今回の調査となったようです。今回の研究により、ポンペイ島にいつ頃人類がたどり着き、どのような生活を営み、他の大洋州の人々とどのように交流をしていたのかがわかるそうです。そのような夢のある研究に少しでも関わることができたことをとても光栄に思います。
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