JICA海外協力隊の世界日記

ライフ・オブ・カリビアン

老人ホーム交流(①事前学習)

「地域奉仕・クリスマス特別編」は、

近隣の老人ホーム2件との交流です。

きっかけ

このクリスマスの老人ホーム慰問、

私が来る以前にも毎年やっていたそうですが、

ただ職員が当日に少女たちを連れて行き、

指定した歌を歌わせるだけ。

少女たちは、「臭い」「最悪」などと言って、

例年、態度も機嫌も悪かったそうです。

私は去年の11月に施設に配属となりましたが、

そこで一番に行った活動が、これ。

当日だけでなく、事前学習を行い、

少女たち自身に慰問の企画を行わせたところ、

実際の慰問の際の少女たちの態度が

例年と全く違ったと、施設職員に驚かれました。

今年の計画

ということで、今年もこの季節。

今年は昨年から少しバージョンアップ。

去年は少女たちだけで考えた慰問の出し物を、

お年寄り巻き込み型にして交流の機会を増やそうと、

以下の計画を考え中です。

① お年寄りに関する事前学習

② 老人ホームの下見・職員へのインタビュー

③ 少女たちによる慰問の企画

④ 老人ホームを何回か訪れ、

グループごとにお年寄りと一緒に出し物の練習

⑤ クリスマスの慰問

(お年寄りと一緒に出し物をする)

⑥ ふりかえり

ただ、今施設にいる子供たちは、去年に比べると、

全体的に不安定で社会的スキルが弱め。

上手く行くでしょうか。

お年寄りについての勉強

今日は、第1回目の授業でした。

お年寄りについての学習。

授業が始まる時間に子供たち3人を呼びに行きます。(2名は欠席)

私「授業だから来て。」

少女O「なんで?算数?」

少女M「は?なんの授業?」

私「クリスマスの老人ホーム慰問の準備」

少女M「私、絶対行かない。

    私は行かないって、副所長に言いに行くから!

    (他の少女たちに対して)ほら!行くよ!」

―子供たち、バタバタと階段を下りて、副所長の部屋へ―

―待つこと15分(私は同僚と、のんびりリンゴを食べる)-

―そろそろどうなったかと、副所長に内線―

私「どんなかんじですか?」

副所長「例年行事だから行くことって言っても聞かないわね。

    マイコの授業に行くか、所長のところに行くかにしなさい。

    って、私からは言ったわ。(呆れた口調)」

私「あ、今、子供たちバタバタ階段かけあがってますね。

  所長のところに行ったんでしょうね。」

―5分後、子供たちが私の教室に来る―

(所長に、「行くこと」とバッサリ言われたのでしょう)

ということで、不機嫌な子供たちを前に、授業開始です。笑



少女たちが持つ、お年寄りのイメージ

まずは子供たちに、お年寄りのイメージを聞きます。

出るのは全て、悪いイメージ。

以下が次々と出てきました。

・「オエッ」ってかんじ

・邪悪

・臭い

・歯がない

・私をうんざりさせる

・怖い

・皺だらけ

・強い力でつかんでくる(怖い)

・しゃべりすぎ

「ポジティブなイメージはない?」と聞くと、

「ない!」との即答。

別の先生が

・知らないことを教えてくれる

と言うと、やっとのこと、

・料理を作ってくれることがある

・私のおばあちゃんは、いい人だよ

という意見が出ました。

意見を言うのは、少女Eと少女O。

不機嫌な少女Mは、一言も話さず睨んでいます。

お年寄りの体を体験

今日の授業の目的は、お年寄りの気持ちを体験すること。

まずは、お年寄りの体を体験。

女の子たちは、手作りの「お年寄り体験セット」を装着。

目は白内障、耳は聞こえにくい、手は麻痺、

関節は曲がらない、手足と体は重い、杖が必要。

少女たちは、キャーキャー言いながら教室を出て階段を歩きます。

(少女の写真は載せられないため、私の写真。)

不機嫌で、ずっとこちらを睨んでいた少女M。

授業に参加している少女Oに向かって「殴るよ」の言葉。

「私は絶対やらない」

「私、重い物持たないから」

などと言っていますが、なんとか体験させます。

体験が終わると、私に対して

「父親にあんたを襲わせるから!」との言葉。

彼女は日頃からこんなかんじのため、

私も一緒にいる先生も、聞き流します。

(彼女は本当に嫌なら教室から出ていくけれど、その場にはいるため。)

少女たちに体験を聞くと、

「なんかもう、超大変だった!」等々の言葉。

お年寄りの心(脳)を体験

慰問を行う老人ホームには、認知症の方もいます。

ということで、今度は認知症について勉強。

私たちの脳が日頃どんな機能を持っているか話し合った後、

「例えると虫が脳をパクパク食べてしまうような病気だよ」と、

映像を使って、認知症の経過を説明。

その後、「認知症患者の目から見た日常」という2分の映像を見ます。

これは、認知症のおばあさんの目線で1日を体験できるもの。

「30年間ずっと住んできた家。料理してきた台所。

 でも今はもう、ここがどこだかわからない。」

などのナレーションが入り、私も涙してしまいます。

授業のまとめ

映像を見終わった後は、

しーーーーん

とする、少女たち。

最後にもう一度、初めに少女たちが挙げた

お年寄りに対するイメージを見返しながら、

「体や脳の変化が原因なこともあるんだよ」と話します。

少女たち、「認知症」という言葉は難しくて覚えられませんが、

年を取ると体や脳が変化するということ、

それはどうしようもないこと、

ということは理解できたはず。

下見の準備

最後に、明日と明後日で行く老人ホーム訪問での質問を考えさせます。

本当はグループワークで質問を考えさせたかったのですが、

1人黙々と書いていく少女E。

あまりに少女Eが一生懸命なため、

1人1人に紙を渡して質問を書かせることにしました。

これからの1か月で、少女たちのお年寄りに対する優しさ、

他人の立場を想像する共感性が、

少しでも伸びれば良いなと思います。

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