JICA海外協力隊の世界日記

ライフ・オブ・カリビアン

算数の話

日記に書くのは初めてですが、

私は施設で数学も教えています。

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セントルシアに来る前は

「中高生の年齢の子供に数学を教える」

ということで、少し構えていました。

ただ、実際来てみると、

中高生といっても日本の小1~3レベル。

数学については、セントルシア全体のレベルが低く、

大卒で地位の高い仕事に就く人でも、

・30-13のような計算を間違える

・九九は言えない

・買い物に行くと50%OFFを計算機で出している、

ということがよくあります。

施設の子供には、入所時テストでレベルを確認し、

様々な教材を使って個別指導で教えています。

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半分以上の子が時計の読み方を知らないため、

そこからのスタートです。

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すぐに読めるようになる子から数カ月かかる子まで、まちまち。

この前は、「え!それでも腕時計してる!」という子がいて、

見ると時間が滅茶苦茶、向きが逆でした。

簡単な足し算や引き算も、いちいち棒を書いて数える子が結構います。

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少しでもわからなくなると、

「あの女の教え方が悪い!」

「最悪の教師だ!」

「私は正しい!あんたが間違ってる!」

「あの女ムカつく!大嫌い!」

と、私にキレたり他の子の妨害に走る子もいるので、

そこも調整しながら、とにかく辛抱強く、繰り返し、

色んな手段を使って教える日々です。

もちろん、わからなくてもキレずにいられる子もいます。

半々くらいでしょうか。

そんな中で、少し前の話。

授業で割り算をやった時、わからなくなって、

「あんたの教え方が下手すぎる!」

「こんなのやる必要ない!あの女(私)はそれを知らないんだ!」

「もう一生あんたの授業は受けない!」

など暴言を吐いて途中でやめてしまったEちゃん。

施設ではよくあることなので、ハイハイと聞き流します。

2日後、出勤すると私の机に彼女のノートが置いてあります。

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開いてみると…

「先生、挑戦。私は挑戦するよ!」の言葉と一緒に、

ずらーーっと式が書いてあるのです。

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やり方が自分ではあやふやだったみたいで、

同じ問題に対して3回くらい試してみた様子。


1つ書いた後に「もしくは、こうかな?」と書いてあります。

思わず、うるっときてしまいました。

彼女は、学校を何度も停学になった挙句、

ここ何年か学校に行っていません。

母親はハチャメチャ、

兄は刑務所、姉は売春をとりまとめていて、

本人は15歳で1歳の子供がいて…、

と、大変な状況にあります。

(施設では、彼女のような、家が安心できる場ではなく、

学校に通える状況にない子を「ストリートにいる状態」と呼びます。

しかし施設には宿舎がないため、彼女はその自宅で生活します。)

そんな中での、この努力…。

本当に、心からの尊敬に値します。

(しかも、整数の割り算だしたのに、

問題番号を少数と勘違いして、

すごく難しい計算になっていて…

大変で混乱しただろうに本当頑張った…。)

彼女の強さを尊敬してやみません。

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